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高校生が自分で作成したAIで「未知の天体150万個」を発見!

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宇宙の神秘を解き明かす新たな偉業が達成されました。カリフォルニア工科大学(Caltech)で研究に携わった高校生、マテオ・パズ氏が独自開発したAIアルゴリズムを使い、NASAの観測データから未知の天体150万個を発見。この驚くべき成果は『天文学ジャーナル』に単著論文として掲載され、世界中の科学者たちを驚かせています。高校生という若さでこれほどの成果を上げた彼の物語には、未来の科学技術への希望が詰まっています。

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未知の天体を150万個も発見した高校生は何者?

引用元

今回の偉業を成し遂げたマテオ・パズ氏は、現在高校3年生という驚くべき若さです。彼は幼少期から宇宙に強い興味を持ち、独学でプログラミングや機械学習を学びました。そのきっかけとなったのは、小学生時代に母親とともに参加したカリフォルニア工科大学(Caltech)の天体観望講座。この講座で宇宙の広大さと未知への探求心に目覚めた彼は、その後も宇宙への情熱を燃やし続けました。

2022年にはCaltechが主催するインターンシッププログラム「Planet Finder Academy」に参加。このプログラムでは、NASAが運営する赤外線宇宙望遠鏡NEOWISEによって収集された膨大なデータを解析する課題が与えられました。NEOWISEは10年間にわたり観測を続けており、そのデータ量は実に2000億行にも及びます。指導教官であるデイビー・カークパトリック博士から「このデータから変光天体を探し出してみよう」と課題を提示されたパズ氏は、手作業では到底不可能なこの挑戦に対し、自らAIアルゴリズムを開発することを決断しました。

彼が開発したアルゴリズムは非常に効率的で、膨大なデータからわずかな光度変化を検出することに成功。これにより、従来の方法では見つけることのできなかった未知の天体150万個を特定するという快挙を達成しました。この成果によって彼はCaltech内でも注目される存在となり、高校生ながら正式職員としてIPAC(赤外線処理分析センター)で研究活動を続けています。

どんな天体が発見された?

マテオ・パズ氏が発見した150万個もの天体は、「変光天体」と呼ばれる種類のものです。変光天体とは、その明るさが時間とともに変化する天体の総称であり、その原因やメカニズムには多種多様なものがあります。今回発見された変光天体には以下のような種類が含まれています:

超新星爆発

超新星爆発とは、恒星が寿命を迎えた際に起こる壮大な爆発現象です。この爆発によって放出されるエネルギーは極めて強力で、銀河全体にも影響を与えるほどです。超新星爆発によって生成される重元素は、新しい星や惑星形成にも寄与しており、宇宙進化の重要な鍵となっています。

クエーサー

クエーサーはブラックホール周辺で活発な活動を行う銀河核です。ブラックホールが周囲の物質を吸い込む際に放出される膨大なエネルギーによって、クエーサーは非常に明るく輝きます。今回の研究では、従来観測できなかった塵に覆われたクエーサーも特定されており、この発見はブラックホールや銀河形成理論の進展につながると期待されています。

連星系

2つ以上の恒星が互いに重力で結びついている連星系も今回多数発見されています。これらの連星系では恒星同士が互いに影響し合いながら周期的な光度変化を示します。

中性子星

中性子星とは超新星爆発後に残された非常に密度の高い天体です。その中でも回転する中性子星(パルサー)は一定周期で電磁波を放射し、「宇宙の灯台」とも呼ばれています。

これら多様な変光天体の発見によって、宇宙進化や銀河形成理論への理解がさらに深まることが期待されています。また、この研究成果は暗黒物質や暗黒エネルギーといった宇宙最大級の謎解明にも貢献する可能性があります。

未知の天体150万個を発見に導いたAIアルゴリズムの仕組み

未知の天体150万個を発見に導いたAIアルゴリズム NEOWISEデータ 200テラバイト / 2000億行 データ分割 13,000セグメント AI処理 並列計算・統合 F 高速フーリエ変換 時間信号→周波数信号 周期的変化を検出 W ウェーブレット解析 非定常信号の局所解析 微弱な変化も検出 ML 機械学習分類器 パターン認識 天体種類の分類 VarWISEカタログ: 150万個の未知天体を発見 クエーサー・超新星・連星系など多様な変光天体 既知天体 未知天体 クエーサー 超新星 連星系 0.4M 1.5M 0.1M 0.2M 0.3M

パサデナ高校の高校生、マテオ・パズ氏が開発したAIアルゴリズムは、NASAのNEOWISEミッションによる膨大な観測データを分析し、未知の天体150万個を発見するという驚異的な成果をもたらしました。このアルゴリズムは、単なるデータ処理ツールではなく、天文学界に新たな可能性を提示する革新的な技術です。以下では、このアルゴリズムがどのように設計され、どのようにして膨大な宇宙データから貴重な情報を抽出したのか、その仕組みを詳しく解説します。

膨大なデータへの挑戦:NEOWISE観測データとは

NEOWISE(地球近傍天体広域赤外線探査衛星)は、10年以上にわたり全天をスキャンし、小惑星や彗星など地球近傍天体を観測してきたNASAの赤外線望遠鏡です。このミッションでは、赤外線波長で観測することで、可視光では見えない塵に覆われた遠方の天体や変光現象を捉えることが可能でした。しかし、その観測データは膨大であり、総量は200テラバイト以上、行数にして2000億行にも及びます。このような膨大なデータを人間が手作業で分析することは非現実的であり、新しいアプローチが必要とされていました。

NEOWISEデータには、クエーサー(活動銀河核)、超新星爆発(恒星の最期の爆発)、連星系(2つの恒星が互いに食合うシステム)など、多様な変光天体が含まれていました。しかし、これらの変光現象は時間的な変化が特徴であり、その解析には高度な時間領域分析が求められます。パズ氏は、この課題に対しAI技術を活用するという大胆なアプローチを選択しました。

アルゴリズム設計:フーリエ変換とウェーブレット解析の融合

パズ氏が開発したAIモデルは、高度な数学的手法と機械学習技術を組み合わせたものです。このアルゴリズムは以下の3つの主要コンポーネントから成り立っています。

  1. 高速フーリエ変換(FFT)
    • フーリエ変換は、時間軸上で記録された信号(光度変化)を周波数領域へ変換する数学的手法です。これにより、周期的な明るさ変化を効率的に検出可能となります。
    • パズ氏は、この手法を用いてNEOWISEデータ内の周期的信号を特定し、変光天体の候補を抽出しました。
  2. ウェーブレット解析
    • ウェーブレット解析は、非定常信号(時間的に変化する複雑なデータ)の局所的特徴を抽出するための手法です。フーリエ変換が全体的な周波数特性を見る一方で、ウェーブレット解析は信号内の短期間での変化にも敏感です。
    • この技術によって、一時的または微弱な光度変化も検出可能になり、新しいタイプの天体発見につながりました。
  3. 機械学習分類器
    • パズ氏は機械学習技術を用いて既知の変光パターンと照合し、新しい天体候補を分類しました。この分類器は、大規模かつ秩序だったデータセットで訓練されており、高い精度で未知天体を識別できます。

膨大なデータ処理:分割アプローチ

NEOWISEデータ全体を処理するためには、一度にすべてのデータを分析することは不可能でした。そのため、パズ氏は2000億行ものデータセットを13,000個のセグメントに分割し、それぞれ独立してAIモデルで処理しました。この分割アプローチによって計算負荷が軽減され、効率的かつスケーラブルな解析が可能となりました。

また、この分割されたデータセグメントごとに微細な赤外線輝度変化が検出され、それらが再統合されることで全体像が構築されました。この方法論によって、高速かつ正確に150万個もの未知天体が特定されたのです。

成果と応用可能性

このアルゴリズムによって作成された「VarWISEカタログ」には、1.9百万個もの変光天体が記録されています。そのうち1.5百万個はこれまで科学界で知られていない新しい天体でした。これらの発見には以下のような科学的意義があります:

  • 宇宙膨張率の測定:超新星爆発やクエーサーなどから宇宙膨張速度について新たな知見が得られる可能性。
  • 銀河形成理論への貢献:ブラックホールや連星系などから銀河進化プロセスへの理解が深まる。
  • 暗黒物質・暗黒エネルギー研究:塵に覆われたブラックホールなどから宇宙最大級の謎解明への手掛かり。

さらに、このアルゴリズムは他分野への応用も期待されています。例えば:

  • 株式市場分析:時系列データから周期的パターンを検出する能力。
  • 環境科学:大気汚染物質や気候変動データ解析への応用。

未来への展望

2025年には、このアルゴリズムによって生成された完全版カタログが公開予定です。このカタログは「21世紀版ヘンリー・ドレイパーカタログ」として、多くの科学者や研究者たちによって活用されることになるでしょう。また、この技術は次世代望遠鏡ミッションや他分野でさらなるブレークスルーを生む可能性があります。

マテオ・パズ氏と彼のAIアルゴリズムによる今回の成果は、人類が宇宙について抱く疑問解決への一歩となっただけでなく、AI技術と科学研究との融合による無限の可能性も示しています。

まとめ

今回、高校生マテオ・パズ氏が成し遂げた未知なる天体150万個もの発見は、人類史上でも類稀なる偉業と言えます。この成果には以下3つの重要な意義があります:

  1. 既存データ活用:膨大な観測データから新しい知識を引き出す手法としてAI技術が活躍。
  2. 若年層への期待:高校生という若さで世界的成果を上げたことで、次世代科学者育成への希望。
  3. 学際的応用:宇宙探査技術が地球上でも幅広い問題解決へ応用可能。

宇宙にはまだ97%もの未知なる物質が存在すると言われています。今回開発されたAIアルゴリズムは、その「暗黒宇宙」を照らす新たな探検道具となるでしょう。そして、この偉業から得られるインスピレーションが、多くの若者たちへ科学への興味と挑戦心を与えることになるかもしれません。科学技術と人間の創造力が融合する未来への扉が今、大きく開かれています。

参照元:Caltech「Exploring Space with AI」

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