LINEに搭載された生成AI機能が話題を集めています。2025年4月15日に発表された新サービス「LINE AI」と「LINE AIトークサジェスト」により、日常的に利用するコミュニケーションアプリがさらに便利で創造的になりました。この記事では、LINE AIの基本情報から実際の使い方、活用方法まで詳しく解説していきます。


この記事はこんな人におすすめ
・LINE AI、LINE AIトークサジェストの使い方を知りたい
・LINE AIでできることを知りたい
LINE AI、LINE AIトークサジェストとは?
LINEヤフーより引用
LINE AI、LINE AIトークサジェストとは、LINEアプリに新しく実装された人工知能機能の総称です。LINEヤフー株式会社が提供するこの機能を使うことで、メッセージの返信提案や文章のリライト、口調の変換、さらには画像生成まで行うことができます。
LINEヤフーは『「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。』というミッションのもと、生成AIの活用を積極的に推進しています。これまでも「LINE AIアシスタント」や「AIメッセージ変換」といった機能を提供してきましたが、今回新たに提供される「LINE AI」と「LINE AIトークサジェスト」により、さらにAI機能が充実しました。
日本国内で最も広く利用されているコミュニケーションアプリであるLINEに、こうした高度なAI機能が追加されたことは画期的と言えるでしょう。今までは専用のAIアプリを使わなければならなかった機能が、日常的に使うLINEアプリ内で簡単に利用できるようになったのです。
LINEの提供する生成AIは主に2つのサービスで構成されています。
- LINE AI – 友だちと話すように質問や、情報収集、画像生成ができるサービス
- LINE AIトークサジェスト – メッセージ作成をサポートする機能で、返信提案やスタンプ推奨などを行います
これらの機能はOpenAIなどの最新テクノロジーを活用しており、複雑な設定や操作は必要なく、誰でも直感的に使うことができます。AI初心者でも安心して活用できる、メッセージのやり取りをより円滑に、そして創造的にサポートしてくれる頼もしい機能です。
LINE AI、LINE AIトークサジェストは無料で使える?
多くの方が気になるのは「LINE AIは有料なのか?」という点でしょう。結論から言うと、「LINE AI」と「LINE AIトークサジェスト」の主要機能は基本的に無料で利用することができます。LINEアプリをインストールしている方であれば、特別な課金なしでAI機能を活用できるのです。
ただし、利用には一部制限があります。
サービス | 基本料金 | 利用制限 |
---|---|---|
LINE AI | 無料 | 1人あたりの1日の利用回数に制限あり |
LINE AIトークサジェスト | 無料 | 1人あたり1日300回まで・月2,000回まで |
なお、より高度な機能を求める場合は「LINE AIアシスタント」(月額200円)の利用も検討できます。こちらはOpenAI社のGPT-4oを利用した高機能サービスで、文書ファイルの翻訳・要約機能なども備えています。
LINEAIアシスタントより引用
「LINE AIトークサジェスト」は「LINEラボ」という実験的な機能を集めたセクションからアクセスします。「LINEラボ」は試験的機能を提供する場であるため、予告なく機能が変更されたり、一時的に利用できなくなったりする可能性があることは念頭に置いておく必要があるでしょう。
それでも、日常的なコミュニケーションを助ける強力なツールとして、多くのユーザーに受け入れられています。ほとんどの一般的な使用シーンでは無料版で十分に便利さを体験できるでしょう。
LINE AIトークサジェストの使い方
LINE AIトークサジェストを有効にする方法
まずはLINE AIトークサジェストを使えるようにするための設定方法を解説します。初期状態ではAI機能は有効になっていないので、以下の手順で設定を行いましょう。
- LINEアプリのホーム画面を開く
- 右上にある設定(歯車マーク)をタップ
- 設定メニューの中から「LINEラボ」を探してタップ
- 「LINE AIトークサジェスト」をオンにする
- 利用規約が表示されるので、内容を確認し、必要な項目にチェックを入れて「同意する」をタップ

LINE AIトークサジェストが出てこない場合、アプリがアップデートされていない可能性がありますので、アップデートは必ず行ってください

これで設定は完了です。メッセージ画面に戻ると、メッセージ入力欄の右側にAIアイコンが表示されるようになり、AI機能が使えるようになります。実際に使ってみましょう。

AIアイコンを押下すると、ポップアップが出てきます。「今すぐ使う」を押下します。
LINE AIトークサジェストでは、以下の3つの機能が使えます。
①返信を提案
②スタンプを提案
③口調を変換
①返信を提案
LINE AIトークサジェストの基本的な機能の一つが「返信提案」です。この機能は、前後のメッセージのやり取りを考慮して、適切な返信文を複数提案してくれます。
使い方は非常に簡単です。チャット画面でメッセージ入力欄の右側にあるAIアイコンをタップすると、「返信の提案」が表示されます。ここでは複数の返信候補が表示され、気に入ったものをタップするだけでメッセージ入力欄に文章が入力されます。あとは送信ボタンを押すだけです。
さらに、提案された返信文の口調を調整することもできます。「親しみやすく」「丁寧に」「長く」などのオプションをタップすることで、同じ内容でも異なる表現の返信文に変換することができます。例えば、友人へのカジュアルな返信から、上司や取引先への丁寧な返信まで、状況に応じた適切な文章を簡単に作成できます。
まずは返信については以下のように履歴をもとに作成してくれます。この方とは1年以上やり取りしていないので、このように「元気?」などと考えてくれました。頭いいですよね。

②スタンプを提案
LINE AIトークサジェストには「スタンプ提案」機能もあります。AIが会話の流れに合ったスタンプを自動で提案してくれるため、適切なスタンプを探す手間が省けます。
スタンプ提案を使うには、メッセージ入力欄の右側にあるAIアイコンをタップし、「スタンプ」を選択します。すると、現在の会話内容に合ったスタンプが表示されるので、気に入ったものをタップするだけで送信できます。
スタンプも分析して挨拶になるようなかわいい感じのを出してくれました。

③口調を変換
LINE AIトークサジェストのもう一つの便利な機能が「口調を変換」です。これを使うと、メッセージの文体やトーンを様々なスタイルに変えることができます。
用意されている口調オプションは以下の5つです。
- フォーマル(丁寧な言葉遣い)
- ため口(カジュアルな言葉遣い)
- 誤字修正(誤字脱字の自動修正)
- ねこ語(「にゃ〜」のような猫口調)
- 侍言葉(時代劇風の言葉遣い)
例えば、「ねこ語」に変換すると、文末に「にゃん」が追加されたり、「侍言葉」に変換すると時代劇のような口調になったりと、遊び心のある会話を楽しむことができます。ビジネスシーンでは「フォーマル」への変換が役立ちますし、親しい友人とのやり取りでは「ため口」に変換するなど、相手や状況に合わせた使い分けが可能です。
口調についてはいくつか選択しがあります。使い方としては、まずメッセージフォーム内に、メッセージを入れて、口調を選択します。ねこ語を押下すると「元気」→「元気にゃ?」にしてくれました。
LINE AIの使い方
LINE AIにアクセスするには、以下の手順で行います。
- LINEアプリのホーム画面を開く
- 「サービス」タブをタップ
- 「LINE AI」を選択
- 利用規約に同意
または、LINE AIの公式サイト(https://line-ai.landpress.line.me/lineai_ja/)から友だち追加することもできます。
AIテキスト機能の活用
LINE AIの「AIテキスト」機能では、AIに対して質問や相談ができます。使い方はシンプルで、LINE AIを開いてトーク画面に質問を入力するだけです。以下のような活用ができます。
調べ物や情報収集(「東京の今日の天気は?」「カレーライスのレシピを教えて」など)
- アイデア出し(「誕生日プレゼントのアイデアが欲しい」など)
- 文章の作成や添削(「お礼のメールの例文を教えて」など)
- 学習サポート(「二次方程式の解き方を教えて」など)
実際に「大谷翔平はホームラン何本打ったかについて聞いてみました」


実際に使ってみたところ、最新のデータはとってきてくれません。
2023年まで、という点でネックですね。
LINE AIの最新データは2023年まで
また、LINE AIのAIテキスト機能では画像分析も可能です。写真を送信すると、AIが画像の内容を分析し、説明や関連情報を提供してくれます。

この前に見かけたジョジョのイギーをあてられるか試してみました。
見事に当ててくれて、友人とのトークとかでの画像理解の補助に役立ちそうですね!
LINE AIで画像生成も
LINE AIのもう一つの注目機能が「AIキャンバス」による画像生成です。これを使えば、テキストの説明だけで様々なイメージを作り出すことができます。
AIキャンバスの使い方
AIキャンバスを使うには、LINE AIを開き、「AIキャンバス」タブを選択します。作りたい画像の内容を文章で入力するだけで、AIが画像を生成してくれます。
使い方は非常にシンプルで、作りたい画像の内容を文章で入力するだけです。例えば「読書クラブのロゴを作って」と入力すれば、AIが本やブックマークをモチーフにしたロゴデザインを生成してくれます。「誕生日おめでとうのイメージ」と入力すれば、バースデーケーキやお祝いのイメージが盛り込まれた画像を作成してくれます。
リンゴのお姉さんをアニメイラストで作成してと入れてみました。なかなかクオリティが高い!これが無料で使えるなんて・・・。



生成された画像は長押しして「写真に保存」を選ぶことで、スマートフォンに保存することができます。こうして作成したオリジナルのAI画像は、SNSへの投稿やプロフィール画像、メッセージに添えるイラストなど、様々な用途に活用できます。
画像の添付はできません。
画像生成の活用方法
LINE AIの画像生成機能は、単なる遊びだけでなく、実用的な場面でも役立ちます。例えば、
- パーティーや集まりの招待状や案内画像の作成
- SNSの投稿用イラストやバナーの作成
- プレゼントに添えるオリジナルメッセージカードのデザイン
- ビジネス用の簡易的なプレゼン資料の背景や挿絵
将来的にはメッセージのやり取りの中でも直接画像生成ができるようになる予定だとの情報もあります。これが実現すると、LINEスタンプのように感情や状況を表現するためのビジュアルコミュニケーションツールとして、より一層便利になるでしょう。
AIが生成した画像は完全にオリジナルであるため、著作権の心配なく使用できるのも大きなメリットです。ただし、他者の著作物やキャラクターを模倣するような使い方は避けるべきです。
画像生成のコツとヒント
AIに理想の画像を生成してもらうには、指示の出し方が重要です。以下にいくつかのコツを紹介します。
- 具体的に指示する:「かわいい猫」よりも「オレンジ色の子猫が青い背景の前で遊んでいる」のように具体的に説明すると、イメージに近い画像が生成されやすくなります。
- スタイルを指定する:「水彩画風」「アニメ風」「フォトリアル」など、希望する画風を指定すると、より意図に沿った結果が得られます。
- 色合いや構図を伝える:「暖色系で」「中央に配置」「横長の構図」など、視覚的な要素を指定すると細かいニュアンスが伝わります。
- 否定形より肯定形で:「〜ではない画像」より「〜のような画像」と伝えた方が、AIは理解しやすくなります。
生成された画像が思い通りではない場合は、指示を変えて再度試してみましょう。少しずつ表現を変えながら理想の画像に近づけていくのも、AIとの対話の楽しみ方の一つです。
「LINE AI」「LINE AIトークサジェスト」活用の際の注意点、利用規約は大丈夫?
利用規約では大きく分けて以下の4つの利用目的が明記されています。
- サービスの提供・維持および不正利用防止
- コンテンツのレコメンデーションや正確性向上
- 利用状況の分析・改善
- AIメッセージ変換機能に関するお客様情報の活用
結論としては、以下のようなリスクはあります。個人情報や会社の機密情報は入れない方がリスクヘッジになるでしょう。
- 情報の正確性が必ずしも保証されないため、重要な判断に用いる場合は注意が必要
- AIが生成した内容に依存しすぎると、自身の思考能力や表現力が衰える可能性
- 個人情報や機密情報を誤って入力すると、情報漏洩のリスクがある
実際に以下のような記載があります。
※2 OpenAI OpCo,LLCおよびOpenAI,L.L.C.(両社の所在国:アメリカ)の生成AIサービスを本サービスを提供するために利用しており、本サービスの提供に必要な範囲で本サービス内のお客様に関連する各種情報を同社に共有する場合があります。
LINEより引用

どのように使われるかは、不明瞭のため、安易に機密情報は入れないのが身のためです。
また「LINE AI」と「LINE AIトークサジェスト」では、以下の情報が取得・利用されます。
トークでのデータ利用
- スタンプ提案・メッセージ提案機能:トークルームで送受信した最新15件のメッセージのテキストなどのコンテンツ
- AIメッセージ変換機能:入力した下書きメッセージのテキストなどのコンテンツ
利用されない情報
以下の情報は利用されません。
- ユーザープロフィール情報
- 内部識別子
- スタンプ提案・メッセージ提案機能を利用するトークルームのタイプ
- 利用開始日時やスタンプ提案・メッセージ提案機能のうちどの機能を利用したかなどの情報
情報利用の目的
取得した情報は以下の目的で利用されます。
- 違法行為や迷惑・不正利用防止ツールの開発
- 不正利用防止
- サービスの開発・改善・統計分析
- 個々のユーザーの興味関心に適した広告表示や人材機能の提供
個人情報の取り扱いに関する詳細は「LINEプライバシーポリシー」に従って行われます。
年齢制限と保護者の同意
「LINE AI」および「LINE AIトークサジェスト」は13歳以上のユーザーを対象としたサービスです。
- 13歳未満の利用者:サービスを利用することはできません
- 未成年者(13歳以上):サービスを利用する場合、LINEサービス規約利用規約および「OPEN AIの利用規約」に従う旨を了承していることになります
未成年者の保護者は、以下のような行為を含む適切な監督を行う必要があります。
- 違法行為を含む危険な活用の利用防止
- 他者に危害を加えるためのアウトプットの利用や配布の防止
- プライバシー保護の確保
禁止されている利用方法
サービスの利用において以下の行為は禁止されています。
- 個人情報の入力:他者のプライバシーに関わる情報(氏名、住所、メールアドレス、電話番号、SNSのアカウント情報など)を入力する行為
- 不適切なコンテンツの作成:脅迫、不適切な画像や差別的な表現を含むコンテンツの作成
- 著作権・商標権侵害:著作権や商標権を持つコンテンツを無断で使用したり、そのような内容を生成したりする行為
- 情報の正確性に対する過信:AIの出力内容の正確性は保証されないため、重要な判断には他の情報源も確認することが推奨されます。
まとめ
LINE AIは、日本で最も普及しているコミュニケーションアプリに搭載された画期的なAI機能です。返信提案や口調変換、文章のリライト、さらには画像生成まで、多彩な機能を無料で利用できます。
使い方も非常にシンプルで、LINEラボから有効にするだけで、メッセージのやり取りがより便利で創造的になります。友人とのカジュアルな会話から、ビジネスでの丁寧なコミュニケーションまで、様々なシーンで活用できるでしょう。
特に画像生成機能は、従来なら専用のアプリやサービスを使わなければならなかったものが、LINEアプリ内で簡単に利用できるようになった点で大きな進化と言えます。今後は、メッセージのやり取りの中でも直接画像生成ができるようになると予想され、さらに便利になりそうです。
ただし、AIの出力結果に過度に依存せず、最終的な判断は自分で行うことが重要です。また、著作権やプライバシーに配慮した責任ある使用を心がけましょう。
LINE AIの登場により、私たちの日常的なコミュニケーションがより豊かで効率的になることは間違いありません。ぜひ一度設定して、様々な機能を試してみてください。きっと新しいコミュニケーションの可能性が広がるはずです。
趣味:業務効率化、RPA、AI、サウナ、音楽
職務経験:ECマーチャンダイザー、WEBマーケティング、リードナーチャリング支援
所有資格:Google AI Essentials,HubSpot Inbound Certification,HubSpot Marketing Software Certification,HubSpot Inbound Sales Certification
▼書籍掲載実績
Chrome拡張×ChatGPTで作業効率化/工学社出版
保護者と教育者のための生成AI入門/工学社出版(【全国学校図書館協議会選定図書】)
突如、社内にて資料100件を毎月作ることとなり、何とかサボれないかとテクノロジー初心者が業務効率化にハマる。AIのスキルがない初心者レベルでもできる業務効率化やAIツールを紹介。中の人はSEO歴5年、HubSpot歴1年