あなたのお気に入りのイラストやキャラクターを、まるで本物のフィギュアのように立体的に変換できたらどんなに素敵でしょうか。実は今、AI技術の進化により、誰でも簡単にイラストをフィギュア風に変換できる時代が到来しています。その鍵となるのが「nano-banana」という革新的なツールです。この記事では、nano-bananaを使った フィギュア化の全てを、初心者の方にもわかりやすく解説します。プロンプトのコツから料金体系、さらには作成したフィギュア画像の活用方法まで、実践的な情報をお届けします。
nano-bananaの使い方基本ガイドはこちらをご覧ください


nano-bananaでフィギュア化とは?基礎知識と可能性
nano-bananaによるフィギュア化とは、Google AI Studioで利用できるGemini 2.5 Flash Imageモデルを活用して、2Dのイラストや画像を3Dフィギュア風に変換する技術のことです。従来の画像編集ツールとは異なり、AIが画像の内容を深く理解し、キャラクターの特徴を保持しながら立体的な質感や陰影を自動的に付与します。
単なる画像加工ではなく、まるで実際のPVC素材やアクリルスタンドのような質感を持つフィギュア画像を生成できることが最大の特徴です。このツールを使えば、プロのデザイナーでなくても、お気に入りのキャラクターを商品化したようなクオリティで表現することが可能になります。詳しい使い方については、[nano-bananaの基本的な使い方ガイド]をご参照ください。
nano-bananaの料金体系
nano-bananaの最も魅力的な点の一つは、Google AI Studioを通じて無料で利用できることです。現在、基本的な機能は完全無料で提供されており、1日あたりの使用制限はあるものの、個人利用には十分な回数が設定されています。
項目 | 内容 |
---|---|
提供形態 | Google AI Studio を通じて無料で利用可能 |
料金 | 基本機能は完全無料 |
リクエスト上限 | 1分間に15回/1日あたり1,500回 |
想定用途 | 個人利用・趣味の創作には十分な回数 |
商用利用 | まず無料版で試用→必要に応じて有料プランへ移行可 |
大量処理/API | 従量課金制プランあり(大量リクエストに対応) |
開始時のリスク | 無料枠で検証できるためリスク低 |
備考 | 本表は提示いただいた情報に基づく要約です。上限・価格は変更される場合があります。 |
具体的には、1分間に15回、1日あたり1,500回までのリクエストが可能で、これは趣味レベルでの利用には十分すぎる量です。商用利用を検討している場合でも、まずは無料版で試してから有料プランへの移行を検討できるため、リスクなく始められます。また、APIを利用した大量処理が必要な場合は、従量課金制のプランも用意されていますが、個人のクリエイターであれば無料枠で十分に創作活動を楽しむことができるでしょう。
nano-bananaでフィギュア化する方法
前提:フィギュア化の基本的な問題と解決策
nano-banana(Gemini 2.5 Flash Image)でフィギュア化を実行する際、よく発生する問題があります。それは、背景や台座だけが実写化され、肝心のキャラクターがアニメ調のまま残ってしまう現象です。この問題は適切なプロンプト設計で解決できます。安定したフィギュア化を実現するには、「パッケージなし」「パッケージあり」「パッケージ+文字・ロゴ入れ」という3つのアプローチがあり、それぞれに最適化されたプロンプト構成が必要です。
最もシンプルな方法。台座の上にフィギュアのみを配置した、基本的なカタログ撮影風の画像を生成します。
ブリスターパックや商品箱を背景に配置。より商品らしい演出が可能になりますが、実在ブランドのロゴが表示される可能性があります。
オリジナルのテキストやロゴをパッケージに配置。完全にカスタマイズされた商品イメージを作成できます。
まずは最もシンプルな「パッケージなし」から始め、段階的に要素を追加していくことで、初心者でも確実に高品質なフィギュア画像を生成できるようになります。Geminiのガイドラインに準拠しながら、汎用性を重視したシンプルなプロンプト設計を心がけることが成功の鍵となります。
ステップ1:基本プロンプト(パッケージなし)の構築
最も基本となるフィギュア化プロンプトは、Geminiガイドラインに準拠しながら汎用性を重視したシンプルな構成です。以下の要素を英語で指示することで、安定した結果を得られます:
Convert this illustration into a photorealistic PVC anime figure.
Maintain the original character's design, pose, and color scheme precisely.
Render as a collectible figurine crafted from PVC plastic, featuring realistic painted surfaces and nuanced shading.
Add glossy highlights to elements like hair and clothing, apply matte textures to skin areas,
and include subtle seam lines characteristic of manufactured figures.
Position the figure on a simple circular display stand, with a soft shadow underneath.
Apply neutral studio backdrop, professional lighting setup, sharp focus, shallow depth of field,
as if captured for a product catalog.
モデルは以下の画像を活用します。

画像を添付し、上記プロンプトを入力し、右下の[Run]を押下します。
※上記プロンプト以外に注文事項があれば、上記の前段に入れます。

【無料】画像生成AI「Gemini 2.5 Flash Image(nano-banana)」とは?使い方を解説!!
できました。できあがった画像右下のダウンロードボタンを押下します。

できました!すごい・・・

このプロンプトにより、キャラクターの特徴を完全に保持しながら、本物のPVCフィギュアのような質感と立体感を持つ画像が生成されます。髪や衣装の光沢、肌のマット仕上げ、製造品特有の継ぎ目など、細部まで再現されることで、単なる画像変換を超えた本格的なフィギュア表現が可能になります。カタログ撮影を想定した照明と被写界深度の設定により、プロフェッショナルな仕上がりを実現します。
ステップ2:パッケージありバージョンの実装
基本プロンプトの効果を確認したら、次はパッケージ要素を追加して商品らしさを演出します。基本プロンプトの最後に以下の指示を追加します:
Display the packaging box visibly in the background, featuring a clear plastic blister pack.
The packaging should be generic without any existing brand logos or trademarks.
Keep the package design minimal and unbranded.
この追加により、透明なブリスターパックに収められたフィギュアという、より商品らしい演出が可能になります。

「generic」「unbranded」という指示を加えることで、実在ブランドのロゴが表示される確率を大幅に減らすことができます。ただし、完全に防ぐことは難しいため、もし実在のロゴが表示された場合は、以下の対策が効果的です:
- プロンプトでの予防策を強化:「No real-world brand logos」「Plain packaging only」などの指示を追加
- 生成を複数回試行:同じプロンプトでも結果が異なるため、ロゴのない画像が生成されるまで再試行
- ステップ3のロゴ配置技術を活用:オリジナルロゴを配置することで、実在ロゴの生成を上書き
ブリスターパック以外にも、「premium collector’s box」や「acrylic display case」など、パッケージのバリエーションを指定することで、様々な商品演出が可能です。
ステップ3:文字入れとロゴ配置の高度な技術
パッケージをさらにカスタマイズし、オリジナルの商品として完成させるための高度な技術です。基本プロンプトとパッケージプロンプトに続けて、以下の要素を追加します:
文字入れの方法
The packaging box should clearly display the printed text: "[YOUR_TITLE]" and "[YOUR_SUBTITLE]".
引用符内に任意のテキストを入力します。英語の場合は高い精度で再現されますが、日本語は文字が崩れる可能性があるため注意が必要です。フォント、サイズ、位置の詳細指定も可能ですが、生成の難易度が上がるため、まずはシンプルな指定から始めることを推奨します。
ロゴ配置の方法:
The packaging should also incorporate the second uploaded image as a printed graphic element on its surface.
この指示により、2枚目にアップロードした画像がパッケージにロゴとして配置されます。
タイトル「タイムリープ少女」作品タイトル「フラッシュメモリー」、ロゴは以下で作成してみました。

めちゃくちゃそれっぽいのができました!若干文字を編集する必要がありそうですが、まあセーフでしょう。

極めて重要な点として、nano-bananaは参照画像のアスペクト比に強く影響を受けます。例えば、縦長(3:4)のフィギュア画像を生成したい場合、ロゴも必ず3:4の比率で準備する必要があります。正方形や横長のロゴを使用すると、生成される画像全体の比率が変わってしまうため注意が必要です。ロゴを配置することで、実在ブランドのロゴが自動生成される問題を回避できる利点もあります。
実践的なプロンプト構築テンプレート
背景環境の詳細カスタマイズ
今回紹介した基本プロンプトでは、カタログ写真のようなニュートラルな背景を想定していますが、より具体的な展示環境を指定することも可能です。以下に実践的なプロンプト例を示します:
ガラスケース展示版
Place the figure inside a clear glass display case with LED base lighting.
Reflections on the glass surface, museum-quality presentation.

ホビーショップディスプレイ版
Display in a hobby shop shelf setting with multiple figures visible.
Price tags and shop lighting, retail environment atmosphere.

デスク展示版
Position on a desk next to a computer monitor and keyboard.
Natural room lighting with anime posters in the background.

展示会ブース版
Exhibition booth setting with professional spotlights.
Banner backdrop and velvet display platform.

背景の詳細を指定しすぎると生成の難易度が上がり、結果が不安定になる可能性があるため、まずはシンプルな設定から始めることを推奨します。
プロンプト構成の最適化チェックリスト
効果的なフィギュア化を実現するための、プロンプト構成の要素と実践例を以下の表にまとめました:
要素カテゴリ | 必須項目のプロンプト例 | オプション項目のプロンプト例 |
---|---|---|
基本変換指示 | Convert into photorealistic PVC anime figure | 1/7 scale figure with detailed manufacturing marks |
質感設定 | Glossy finish on hair, matte on skin, visible seam lines | Pearl coating effects, weathered paint details |
台座・展示 | Simple circular display base with soft shadow | LED-lit rotating base with mirror surface |
撮影環境 | Professional studio lighting, shallow depth of field | 45-degree angle shot, dramatic backlighting |
パッケージ | Clear blister pack packaging in background | Limited edition box with holographic accents |
テキスト/ロゴ | Display text: "[CHARACTER NAME]" in English | Multiple logos with Japanese subtitle text |
複雑なイラストをフィギュア化するための上級テクニック
背景環境のカスタマイズテクニック
フィギュアの展示環境を自在にコントロールすることで、作品の魅力を最大限に引き出せます。以下の具体的なプロンプトを状況に応じて選択してください:
自然光演出
Window-side display with soft natural daylight,
subtle shadows and warm color temperature

プロ撮影環境
Professional lightbox setup with gradient backdrop,
three-point lighting system, no harsh shadows

コレクション展示:
Display shelf with multiple figures arranged,
ambient room lighting with subtle depth blur
線画変換を活用した高精度フィギュア化
グラデーションや複雑な塗りのイラストは、そのままではフィギュア化が難しい場合があります。以下のアプローチを使用します。

フィギュア化

Transform this line art into PVC figure,
reference original image for accurate color application
質感表現の精密コントロール
以下の表は、部位別の質感指定で実現できる高度な表現技法とプロンプト例です。
対象部位 | 質感指定プロンプト | 期待される視覚効果 |
---|---|---|
髪の毛・リボン | Apply high-gloss coating with specular highlights, glossy PVC finish | つややかで高級感のある表現 |
肌・顔 | Matte finish with soft subsurface scattering, subtle skin texture | 自然で柔らかい質感 |
衣装・布地 | Semi-gloss fabric texture with visible weave patterns | リアルな素材感の再現 |
金属パーツ | Chrome metallic paint with mirror reflections, brushed metal details | 重厚感と精密さの演出 |
透明パーツ | Clear resin parts with internal gradient, translucent effects | 透明感と立体感の両立 |
nano-bananaでフィギュア化する際の注意点とトラブルシューティング
よくある失敗パターンと対処法
フィギュア化の過程で最も多い失敗は、キャラクターの特徴が正しく認識されないケースです。例えば、ベールを髪の毛と誤認識したり、特殊な衣装のパーツが省略されたりすることがあります。このような場合は、プロンプトで明確に「頭部の後ろにあるのは髪ではなくベールです」といった具体的な説明を追加することが重要です。
また、パッケージ付きで生成する際、意図せず実在メーカーのロゴが表示される場合があります。これを防ぐには、オリジナルのロゴ画像を2枚目として追加するか、生成後に画像編集で除去する必要があります。キャラクターが背景と一体化してしまう問題もあり、「キャラクターのみをフィギュア化し、背景は実写」という明確な指示が効果的です。事前準備として、画像のコントラスト調整や輪郭の明確化を行うことで、認識精度を大幅に向上させることができます。
著作権と倫理的な配慮事項
nano-bananaを使用する際は、著作権への配慮が不可欠です。他者が作成したイラストや商業作品のキャラクターを無断でフィギュア化し、それを公開または販売することは著作権侵害にあたる可能性があります。必ず自作のイラストか、使用許可を得た素材を使用するようにしましょう。
また、生成された フィギュア画像をSNSなどで共有する際も、元のイラストの作者がいる場合はクレジット表記を忘れないようにすることが大切です。個人的な楽しみの範囲であっても、創作者への敬意を持って利用することが、健全なクリエイティブコミュニティの維持につながります。
作成したフィギュア画像の創造的な活用方法
デジタルコレクションとしての楽しみ方
nano-bananaで作成したフィギュア画像は、単なる画像ファイル以上の価値を持ちます。デジタルコレクションとして整理し、バーチャル展示室を作成することで、実物のフィギュアコレクションのような楽しみ方ができます。Google PhotosやPinterestなどのプラットフォームを活用して、テーマ別のコレクションボードを作成したり、季節ごとに展示を入れ替えたりすることで、コレクターとしての満足感を得られます。

また、AR(拡張現実)アプリと組み合わせることで、実際の部屋にバーチャルフィギュアを配置して楽しむこともできます。これにより、物理的なスペースや予算の制約なく、理想のコレクションを構築することが可能になります。
クリエイティブな二次創作への展開
フィギュア化した画像は、さらなる創作活動の起点となります。例えば、複数のキャラクターをフィギュア化して、オリジナルのジオラマ風画像を作成したり、フィギュア写真風のストーリー漫画を制作したりすることができます。
また、3Dモデリングソフトと組み合わせて、実際の3Dモデルの参考資料として活用することも可能です。さらに、フィギュア画像をベースにしたグッズデザイン(ステッカー、アクリルキーホルダーのデザイン案など)を作成し、同人活動やクリエイターマーケットでの販売につなげることもできます。nano-bananaは単なる変換ツールではなく、新たな創作の可能性を広げるクリエイティブツールとして活用できるのです。
nano-bananaで広がる創作の新世界
nano-bananaによるフィギュア化は、イラストやキャラクターデザインに新たな命を吹き込む革新的な技術です。無料で利用できるGoogle AI Studioを通じて、誰もが簡単に高品質なフィギュア風画像を作成できるようになりました。成功の鍵は、適切な画像の準備、効果的なプロンプトの活用、そして根気強い調整作業にあります。シンプルなイラストから始めて、徐々に複雑な表現に挑戦していくことで、着実にスキルを向上させることができます。
作成したフィギュア画像は、個人的なコレクションとしてだけでなく、創作活動の素材やコミュニティでの交流ツールとしても活用できます。今後もAI技術の進化とともに、より高度な表現が可能になることが期待されます。nano-bananaを使って、あなたの創造力を最大限に発揮し、オリジナルのフィギュア世界を構築してみてはいかがでしょうか。きっと、想像以上の可能性が広がっているはずです。
趣味:業務効率化、RPA、AI、サウナ、音楽
職務経験:ECマーチャンダイザー、WEBマーケティング、リードナーチャリング支援
所有資格:Google AI Essentials,HubSpot Inbound Certification,HubSpot Marketing Software Certification,HubSpot Inbound Sales Certification
▼書籍掲載実績
Chrome拡張×ChatGPTで作業効率化/工学社出版
保護者と教育者のための生成AI入門/工学社出版(【全国学校図書館協議会選定図書】)
突如、社内にて資料100件を毎月作ることとなり、何とかサボれないかとテクノロジー初心者が業務効率化にハマる。AIのスキルがない初心者レベルでもできる業務効率化やAIツールを紹介。中の人はSEO歴5年、HubSpot歴1年