Skana.aiより引用
日本の伝統文化と最先端技術が融合した画期的なAIツールが登場し、注目を集めています。Sakana.aiが開発した浮世絵風イラスト生成AI「Evo-Ukiyoe」と浮世絵カラー化AI「Evo-Nishikie」は、日本美術の世界に革命をもたらす可能性を秘めています。本記事では、これらの革新的なツールの詳細と使い方について詳しく解説していきます。
この記事はこんな人におすすめ
・日本の歴史をAIで具現化したい
・浮世絵に色を付けたい。
Sakana.aiとは?
Sakana.aiは、人工知能技術の最前線で活躍する研究者たちによって設立された東京のAIスタートアップです。元Googleのリオンジョーンズとデビッドハーを含む優秀な人材が集結し、日本文化と先端技術の融合を目指しています。
Sakana AIは、異なる特徴を持つ複数のAIを組み合わせて、優れたAIを生み出します。複数の生成AIの良いところだけを抽出できるため、AIモデルを短期間で効率的に開発可能です。
大規模なAIを開発するには、膨大なデータと計算資源が必要で、大手テクノロジー企業が有利です。一方でSakana AIは「小さな魚が群れを形成するように」小規模なAIを組み合わせて高度な知能を作ることを目標としています。
会社概要
- 所在地:東京都港区
- 設立:2023年
- 主要メンバー:リオン・ジョーンズ、デビッド・ハー(元Google研究者)
Sakana.aiのミッション
Sakana.aiは、日本の伝統文化を現代のテクノロジーと融合させることで、新たな価値を創造することを目指しています。特に浮世絵に焦点を当て、この伝統的な日本美術をAI技術によって再解釈し、より多くの人々に親しみやすいものにすることを目標としています。
技術的特徴
Sakana.aiの強みは、最先端のAI技術と日本文化への深い理解を組み合わせた点にあります。彼らの開発したモデルは、単なる画像生成ツールではなく、日本美術の本質を捉えつつ、現代的な表現を可能にする革新的なシステムです。
AIモデル「Evo-Ukiyoe」と、「Evo-Nishikie」(錦絵)について
Sakana.aiが2024年7月21日に発表した2つのAIモデルは、浮世絵の世界に新たな可能性をもたらしました[1]。これらのモデルは、日本の伝統美術を現代のテクノロジーで再解釈する画期的な試みです。
Evo-Ukiyoe:浮世絵風イラスト生成AI
Evo-Ukiyoeは、テキストから浮世絵風のイラストを生成するAIモデルです。このモデルの特徴は以下の通りです。
- マルチモーダル生成AIを使用して浮世絵にキャプションを付与 📝
- 人手による調整を加えてデータセットを作成 👥
- EvoSDXL-JPをこのデータセットでファインチューニング 🔧
Evo-Ukiyoeの特筆すべき点は、単に浮世絵風の画像を生成するだけでなく、日本語の入力に対応している点です。これにより、ユーザーは自分のアイデアや概念を日本語で表現し、それを浮世絵風のイラストとして視覚化することができます。
Evo-Nishikie:浮世絵カラー化AI
Evo-Nishikieは、既存の浮世絵をカラー化したり、色を変換したりすることができるAIモデルです。その特徴は以下の通りです。
- 🌈 単色または近似色の浮世絵のカラー化
- 🎭 浮世絵の色彩変換
- 💬 画像とプロンプト(テキスト指示)の両方を入力可能
- プロンプトとノイズ除去・線画化処理を施した画像の組み合わせをデータセット化
- Evo-Ukiyoeをベースに開発
Evo-Nishikieの革新性は、歴史的な浮世絵作品に新たな生命を吹き込む能力にあります。モノクロや色褪せた浮世絵をカラフルで鮮やかな作品に変換することで、現代の観客にも親しみやすい形で日本の伝統美術を提示することができます。
両モデルの意義
これらのAIモデルの登場は、日本美術の研究や教育、さらには文化振興に大きな影響を与える可能性があります。Sakana.aiは、これらのモデルの用途について次のように述べています
「歴史や文化を学ぶための新たなコンテンツ作成に利用され、浮世絵に関する興味を増すことにつながり、日本や世界の人々が浮世絵や日本文化に興味を持つきっかけを生み出すことを期待している」
この声明は、AIが単なる技術的な進歩以上の文化的な意義を持つ可能性を示唆しています。浮世絵という日本の伝統美術を、AIを通じて再解釈し、現代に蘇らせることで、新たな文化的価値を創造する可能性があるのです。
Sakana.aiは無料で使える?
Sakana.aiが開発した「Evo-Ukiyoe」と「Evo-Nishikie」は、現在Hugging Faceプラットフォーム上で公開されており、誰でも無料で利用することができます。これは、AIの研究開発を目的としたものであり、広く一般に公開することで、技術の進歩と文化的な価値の創造を促進することを意図しています。
無料利用の背景
Sakana.aiがこれらのモデルを無料で公開した背景には、以下のような理由が考えられます:
- 研究開発の促進:AIモデルを広く公開することで、他の研究者や開発者からのフィードバックを得られ、モデルの改善や新たな応用方法の発見につながる可能性があります。
- 文化的価値の普及:浮世絵という日本の伝統文化をAI技術を通じて多くの人々に触れてもらうことで、日本文化への興味関心を高めることができます。
- オープンソース精神:AI技術の発展には、知識や技術の共有が不可欠です。無料で公開することで、AIコミュニティ全体の発展に貢献することができます。
- ユーザーフィードバックの収集:多くのユーザーに使ってもらうことで、モデルの性能や使い勝手に関する貴重なフィードバックを得ることができます。
本気でAIを発展させようという気概にあふれていて素晴らしすぎる・・・。
「Evo-Ukiyoe」の使い方
Evo-Ukiyoeは、テキストから浮世絵風のイラストを生成するAIモデルです。このツールを使いこなすことで、独自の浮世絵風アートを簡単に作成することができます。以下に、Evo-Ukiyoeの基本的な使い方を詳しく解説します。
1. Hugging Faceへのアクセス
まず、Hugging Faceのウェブサイトにアクセスし、Sakana.aiが公開しているEvo-Ukiyoeのページへ遷移します。
2. プロンプトの入力
テキスト入力欄に、生成したい浮世絵風イラストの説明を日本語で入力します。例えば
- 「満開の桜の下で舞う芸者」
- 「荒波に立ち向かう侍」
- 「月夜の富士山と旅人」
「満開の桜の下で舞う芸者」と入れてみました。テキストを入力したら「Run」を押下します。
す、すごい・・・
なんかサブカル感あってかわいい・・・笑
プロンプトは具体的かつ詳細であるほど、望む結果に近い画像が生成される可能性が高くなります。
補足. オプションの設定
必要に応じて、以下のようなオプションを設定できます。
- シード値:特定の結果を再現したい場合に使用
- 画像サイズ:生成する画像の解像度
- サンプリング手法:画像生成のアルゴリズム
生成された画像を使用する際は、Sakana.aiの利用規約を遵守することが重要です。特に、商用利用については制限がある可能性が高いため、注意が必要です。※商用利用は基本できません。
「Evo-Nishikie」(錦絵)の使い方
Evo-Nishikieは、既存の浮世絵をカラー化したり、色を変換したりすることができるAIモデルです。このツールを使いこなすことで、古典的な浮世絵に新たな生命を吹き込むことができます。以下に、Evo-Nishikieの基本的な使い方を詳しく解説します。
1. Hugging Faceへのアクセス
まず、Hugging Faceのウェブサイトにアクセスし、Sakana.aiが公開しているEvo-Nishikieのページへ遷移します。
2. 画像のアップロード
カラー化や色変換を行いたい浮世絵の画像をアップロードします。以下の点に注意してください
- 画像の品質:高解像度の画像ほど、より詳細な結果が得られます。
- 画像の内容:単色または近似色の浮世絵が最適です。
- ファイル形式:一般的な画像フォーマット(JPG、PNG等)を使用します。
サンプルを使用することも可能です。
3. プロンプトの入力
テキスト入力欄に、希望する色彩や雰囲気を日本語で記述します。例えば
- 「鮮やかな赤と青を基調とした錦絵風」
- 「夕暮れ時の温かみのある色調」
- 「春の柔らかな桜色を強調」
プロンプトは、AIが画像をどのようにカラー化または色変換するかを指示する重要な要素です。
着物を着た女性が、赤ん坊を抱え、もう一人の子どもが手押し車を引いています。背景には木があります。と入れてみました。
アップロードした画像の下にプロンプトを入力する箇所がありますので、入れたら「Run」を押下します。
すごい!綺麗すぎる・・・
4. オプションの設定
必要に応じて、こちらも以下のようなオプションを設定できます。
- シード値:特定の結果を再現したい場合に使用
- 画像サイズ:出力する画像の解像度
- カラー化の強度:元の画像の特徴をどの程度保持するか
これらの設定は、生成される画像の品質や特性に影響を与えます。
利用上の注意点
しかし、これらのモデルを無料で利用できるからといって、無制限に使用できるわけではありません。Sakana.aiは以下のような注意点を明記しています:
- 研究開発目的:これらのモデルは主に研究開発を目的として公開されており、商用利用は想定されていません。
- 責任の所在:Sakana.aiは、モデルの使用から生じる直接的、間接的、特別、偶発的、結果的な損害や損失について責任を負わないとしています。
- ユーザーの責任:ユーザーは、モデルの使用に伴うリスクを十分に理解し、自己の判断で使用する必要があります。
これらの点を踏まえると、Sakana.aiのモデルは無料で利用できるものの、あくまでも個人的な使用や研究目的に限定されるべきであり、商業的な利用や大規模な配布には適していないと言えます。
将来の展望
現在は無料で提供されているこれらのモデルですが、将来的には商用版や有料版が登場する可能性も考えられます。AI技術の発展と共に、モデルの性能向上や新機能の追加が行われれば、それに伴って利用形態も変化する可能性があります。
したがって、現時点では無料で利用できるこれらのツールを積極的に活用し、日本の伝統美術とAI技術の融合がもたらす可能性を探求することが重要です。同時に、利用規約や著作権に関する注意事項を十分に理解し、責任ある使用を心がけることが求められます。
Sakana.aiは日本で有望なAIツール
Sakana.aiが開発した「Evo-Ukiyoe」と「Evo-Nishikie」は、日本の伝統美術である浮世絵とAI技術を融合させた革新的なツールです。これらのAIモデルは、単なる画像生成や色彩変換の枠を超え、日本文化の新たな表現方法を提供しています。
- 🖌️ テキストから浮世絵風イラストを生成
- 🗾 日本語入力対応
- 🎨 教育、エンターテインメント、アート制作に活用
- 🌈 既存の浮世絵をカラー化・色変換
- 🏛️ 歴史的作品に新たな生命を
- 📚 美術研究、デジタルアーカイブに貢献
- 🏯 文化継承:伝統美術の現代的再解釈
- 💡 技術革新:AI と文化芸術の融合
- 📖 教育支援:魅力的な日本文化学習教材
- 🎭 クリエイティブ産業への貢献
- ⚠️ 研究開発目的での公開:商用利用に制限の可能性
- ©️ 著作権への配慮:適切な判断が必要
- 🔍 技術の限界理解:AIモデルの特性を把握して使用
最後に、これらのAIツールを使用する際は、その可能性を最大限に活かすと同時に、倫理的な配慮や著作権の尊重を忘れずに、責任ある利用を心がけることが重要です。
Sakana.aiの革新的なアプローチが、技術と文化の調和のとれた発展のモデルケースとなり、より豊かな文化的体験と理解をもたらすことを期待しています。
趣味:業務効率化、RPA、AI、サウナ、音楽
職務経験:ECマーチャンダイザー、WEBマーケティング、リードナーチャリング支援
所有資格:Google AI Essentials,HubSpot Inbound Certification,HubSpot Marketing Software Certification,HubSpot Inbound Sales Certification
書籍掲載実績:Chrome拡張×ChatGPTで作業効率化/工学社出版
突如、社内にて資料100件を毎月作ることとなり、何とかサボれないかとテクノロジー初心者が業務効率化にハマる。AIのスキルがない初心者レベルでもできる業務効率化やAIツールを紹介。中の人はSEO歴5年、HubSpot歴1年