ASMR動画を作りたいけど、高価な機材がない。録音環境も整っていない。でも大丈夫です。最新のAI技術を使えば、プロ並みのASMR動画が誰でも簡単に作れる時代になりました。実際、SNSで話題になっているASMR動画の中には、すべてAIで作られたものも増えています。
ガラスのリンゴを切る音、架空の宝石を握りつぶす音、さらには溶岩を包丁で切るといった現実では不可能な体験まで、AIなら実現できるんです。今回は、初心者でも今すぐ始められるAI ASMR作成方法を、具体的なツールの使い方から成功のコツまで、余すところなくお伝えします。


- ① AI ASMRは人工知能で映像と音声を生成する革新的技術で、ガラス製リンゴや宇宙空間の水球など現実では不可能な体験を実現、YouTubeで数百万回再生される新ジャンルに成長
- ② Google Veo2/3・VOICEVOX・DaVinci Resolveなど完全無料ツールで制作可能、詳細プロンプト入力から音声レイヤー配置まで2-3時間でプロ級ASMRが完成
- ③ 著作権配慮・AI使用明示・品質管理の3つの注意点を守りつつ視聴者と透明な関係構築、VR/AR技術との融合で将来性も高く持続可能なクリエイター活動を実現
AIによって作成された、ASMRとは?
AI ASMRとは、人工知能技術を駆使して生成された映像と音声を組み合わせた、新世代のリラクゼーションコンテンツです。従来のASMRが実際の物理的な音を録音するのに対し、AI ASMRはテキストプロンプトから直接音と映像を生成します。
例えば、「ガラス製のリンゴをナイフで切る」という指示をAIに与えるだけで、現実では不可能な映像と、それに完璧にマッチした音を作り出すことができるのです。この技術により、クリエイターの想像力の限界を超えた表現が可能になりました。2025年現在、YouTubeやTikTokでは数百万回再生されるAI ASMR動画が続々と登場し、従来のASMRファンだけでなく、テクノロジーに興味を持つ新しい視聴者層も獲得しています。
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AI技術がもたらすASMRの革新
AI ASMRの最大の特徴は、物理法則を超えた表現が可能な点です。例えば、「水中で燃える炎」や「音を立てて割れる雲」といった、現実世界では体験できない音と映像を作り出せます。これは、AIが膨大なデータから学習した音と映像のパターンを、創造的に組み合わせることで実現しています。
また、一つの動画を作成するのに必要な時間も大幅に短縮され、アイデアから完成まで数時間で可能になりました。さらに、AIは視聴者の反応データを分析し、より効果的なASMRトリガーを学習することもできます。この進化により、パーソナライズされたASMR体験の提供も現実的になってきており、個人の好みに合わせた音と映像の自動生成も近い将来実現すると期待されています。
従来ASMRとの共存と棲み分け
AI ASMRの登場は、従来のASMRを置き換えるものではなく、むしろASMRの可能性を広げるものとして歓迎されています。人間が実際に作り出す音には、AIでは再現できない温かみや偶発性があり、これらは今後も重要な価値を持ち続けるでしょう。
一方、AI ASMRは「想像の世界を音にする」という新しい領域を開拓しています。例えば、ファンタジー系のASMRでは「ドラゴンの鱗を磨く音」や「魔法の杖から出る光の粒子の音」など、実在しないものの音を作り出すことができます。このように、両者はそれぞれの強みを活かしながら、ASMRコンテンツ全体の多様性を豊かにしています。多くのクリエイターは、両方の技術を使い分けたり組み合わせたりすることで、より幅広い表現を実現しています。
AIでASMRは無料で作れる?
結論から言うと、AI ASMRは完全無料で作成可能です。
2025年現在、高品質なAI動画・音声生成ツールの多くが無料プランを提供しており、初心者でも気軽に始められる環境が整っています。特に注目すべきは、Google AI StudioのVeo2やVeo3といった最新の動画生成AIで、これらは無料アカウントで利用でき、商用利用も可能な場合が多いです。
音声面では、VOICEVOXやAudioboxなどの無料ツールが、ASMR特有のささやき声や環境音の生成に対応しています。編集ソフトも、DaVinci ResolveやOpenShotなど、プロ仕様の機能を持つ無料ソフトが利用できます。つまり、パソコンとインターネット環境さえあれば、追加費用なしでAI ASMR制作を始められます。
AIでASMRを作成するやり方・どうやる?
AI ASMRの作成は、大きく分けて4つのステップで進めます。
まず、作りたいASMRのコンセプトを明確にし、ChatGPTなどのAIアシスタントを使って詳細なプロンプトを作成します。次に、そのプロンプトをGoogle Veo2などの動画生成AIに入力し、映像を生成します。
並行して、音声生成ツールで効果音やBGMを作成し、最後に動画編集ソフトで映像と音声を組み合わせて完成させます。この一連の流れは、慣れれば2〜3時間で完了できるようになります。重要なのは、各ステップで品質チェックを行い、必要に応じて修正を加えることです。特に初心者の方は、シンプルなコンセプトから始めて、徐々に複雑な表現に挑戦していくことをおすすめします。以下、各ステップの詳細を解説していきます。

今回はブロッコリーを切るASMRの動画を作成してみます。
Google AI StudioにログインしVeo2機能のセットアップ
まず、Google AI Studioにアクセスし、Googleアカウントでログインします。

・次に、Veo2の機能を選択
①「Generate Media」を選択後、「Veo」を押下

②右側に「Veo 2」と記載があればOKです。

③「動画の説明を記入してください」を押下すると、「ドライブへのアクセス許可」が出てきますので許可をします。

④プロンプト入力欄に「ブロッコリーを包丁で切る」といった具体的な指示を入力します。プロンプトについて細かく入れないとできません。以下のように入れるとほぼ100%でできます。試してみてください。
実際にChatGPTなどでプロンプトを作成する際には以下のプロンプトを入れてみてください。
これによりどんなASMRのプロンプトも作成できるようになるでしょう。
ブロッコリーをまな板で包丁で切る動画を作成する英単語のプロンプト作成してプロンプトのニュアンスは以下の通りです。”Close-up slow-motion macro shot of a chef’s knife cleanly slicing through fresh, vibrant-green broccoli on a warm wooden cutting board. As the blade glides, crisp florets snap apart, revealing the pale internal stalk; microscopic water droplets burst and scatter in the air, catching the light like tiny crystals. Gentle steam drifts upward, highlighting the broccoli’s natural texture. 4 K cinematic quality, dramatic low-key rim lighting, rich contrast, shallow depth of field, ultra-high detail, ASMR aesthetic with satisfying crunchy cut-through sounds and soft ambient kitchen reverb.”
右側の動画サイズも目的にあわせて変更します。TikTokなどに投稿する場合は、縦長がベストでしょう。

・runを押下します。
以下の画面になれば生成成功です。


⑤完成!自分でいうのもなんですが、完璧なブロッコリーを切る動画ができました。湯気も出ています。
※この時点では、音声は生成されていません。
音を作成する
映像生成が完了したら、次は音の追加です。AI生成の映像には通常音声が含まれていないため、別途音源を作成する必要があります。

音声についてもアテレコをする必要なくAIが音をあわせて自動生成してくれますので安心ください。
今回は、MMaudioを使用します。
・MMaudioへログインします。

・この画面になったら準備OKです。

・左のVideo to Audioを押下します。

・以下の赤枠へ先ほど作成したブロッコリーのASMRの元素材を投下(アップロード)

・以下にプロンプトを入力し、青いボタンを押下すると生成が始まります。
※ここで、音声用のAIプロンプトを作成することが重要です。

できました!ノー編集でかなりクオリティの高いAI ASMRができました!
音声生成プロンプトは以下で作ってもらいました。

上記のプロンプトを作成するには先述のAI ASMR動画のプロンプト作成に続いて
「今度はこの音声を作るプロンプトを作成して。音はまな板や野菜が当たるときや切るのと野菜特有の汁が出る音のみにして」というと作成してくれます。

動画&音声生成のテクニック
動画と音声を作成するためのプロンプトを用意しました!実際に以下のプロンプトを組み合わせて、自分だけのプロンプトを作成してください。
(5要素)
2. 動作の説明
3. カメラワーク
4. 照明条件
5. 音の特徴
• slowly (ゆっくり)
• gently (優しく)
• satisfying (満足感のある)
• smooth (滑らかな)
• crisp (パリッとした)
プロンプト
• no sudden movements
• no loud sounds
• no harsh lighting
• no fast cuts
• 速度: 0.7〜0.8倍
• ピッチ: 通常よりやや低め
• 抑揚: 控えめに設定
速度: 0.75倍
ピッチ: -0.05
抑揚: 0.8
• 素材の質感(木、ガラス、液体等)
• 動作の速度と強さ
• 環境音の有無
• 反響や残響の程度
• 近距離音: 明瞭でダイレクト
• 中距離音: 適度な反響
• 遠距離音: ぼかしと残響
• 左右のパンニング活用
Sub: ambient room tone (wide)
Effect: tapping sounds (L/R pan)
AIのASMR事例4選
AI技術の進化により、これまで想像もできなかったASMRコンテンツが次々と誕生しています。ここでは、特に話題となった4つの革新的なAI ASMR事例を詳しくご紹介します。これらの事例は、AI ASMRの可能性を示すとともに、クリエイターの創造性がいかに重要かを物語っています。各事例の成功要因を分析することで、自分のコンテンツ制作のヒントも得られるはずです。
1. ガラス製リンゴを切るASMR(2000万回再生突破)
SNSで爆発的な人気を博したこの作品は、透明なガラスでできたリンゴを黒いナイフで切るという、現実では不可能な体験を映像化しました。成功の秘訣は、視覚的な美しさと音の心地よさの完璧な調和にあります。ガラスが割れる「パキッ」という音と、切断面から見える虹色の輝きが、視聴者に強い満足感を与えます。プロンプトには「Ultra-realistic macro shot」「Crystal clear glass texture」「Rainbow light refraction」などの詳細な指定が含まれ、まるで高級アート作品のような仕上がりになっています。この作品の影響で、「ガラス製の○○を切る」シリーズが世界中で制作され、新しいASMRジャンルとして確立されました。
2. 架空の宝石をカットするASMR(ストレス解消で話題)
実在しない宝石をゆっくりとカットするこのASMRは、視覚的なインパクトとストレス解消効果で注目を集めました。「宝石が変形し、最終的に粉々になる過程で発生する多層的な音が、視聴者に強いカタルシスを与えます。色彩心理学も考慮され、ストレス解消に効果的とされる青や緑の宝石が中心に使用されています。この作品は、「見ているだけでスッキリする」と評判になり、メンタルヘルス系のメディアでも取り上げられました。
3. AIが考えた究極の咀嚼音ASMR(異文化交流で人気)
AIに「最も心地よい咀嚼音」を生成させたこの実験的な作品は、文化の垣根を超えて支持を集めています。実在しない食材「クリスタルフルーツ」を食べる音は、ガラスのような硬さと果物のジューシーさを併せ持つ、全く新しい食感体験を提供します。
興味深いのは、AIが各国の咀嚼音の好みを分析し、文化圏ごとに異なるバージョンを生成した点です。日本版では繊細で上品な音、韓国版ではよりダイナミックな音といった具合に、ローカライズされたASMRの可能性を示しました。この取り組みは、AI ASMRが単なる技術デモンストレーションではなく、文化的な価値を持つコンテンツになり得ることを証明しています。
AIでASMR制作する際の注意点
AI ASMRは革新的で魅力的なコンテンツですが、制作にあたってはいくつかの重要な注意点があります。技術的な側面だけでなく、倫理的、法的、社会的な配慮も必要です。これらの注意点を理解し、適切に対応することで、持続可能で信頼されるクリエイター活動が可能になります。以下、特に重要な3つの観点から、AI ASMR制作の注意点を詳しく解説します。
著作権と倫理的配慮
AI生成コンテンツの著作権は複雑な問題です。まず、使用するAIツールの利用規約を熟読し、生成されたコンテンツの権利関係を明確に理解する必要があります。多くの無料ツールでは、生成物の商用利用が認められていますが、一部制限がある場合もあります。
また、既存のASMR作品を過度に参考にすると、意図せず類似コンテンツを作成してしまう可能性があります。オリジナリティを保つため、複数の要素を組み合わせた独自のコンセプトを追求しましょう。さらに、AIであることの明示も重要です。動画の説明欄に「AI技術を使用して制作」と明記することで、視聴者との信頼関係を築けます。倫理的には、有害なコンテンツや誤解を招く表現を避け、視聴者の健康と安全を最優先に考えることが求められます。
品質管理のポイント
AI ASMRの品質管理には、技術的な側面と感覚的な側面の両方が重要です。技術面では、映像の解像度(最低1080p推奨)、音声のビットレート(192kbps以上)、音と映像の同期精度(±0.1秒以内)などの基準を設定します。また、AIが生成する映像には時折不自然な部分(指の本数が違う、物理法則に反する動きなど)が含まれることがあるため、必ず人間の目でチェックし、必要に応じて再生成や編集を行います。
感覚面では、ASMRとしての効果を客観的に評価することが大切です。自分だけでなく、信頼できる第三者にも視聴してもらい、リラックス効果や違和感の有無を確認しましょう。定期的な品質基準の見直しと、視聴者フィードバックの分析により、継続的な改善を図ることが成功への道です。
AIで作るASMRのまとめ
AI ASMR作成方法について、基礎知識から実践的なテクニック、注意点まで幅広く解説してきました。最も重要なポイントは、AIは強力なツールですが、それを活かすのはクリエイターの創造性と情熱だということです。Google Veo2/3、VOICEVOXなどの無料ツールを組み合わせることで、初期投資なしでプロ級のASMRコンテンツが作成できる時代になりました。成功の鍵は、詳細なプロンプト作成、映像と音声の完璧な同期、そして視聴者のニーズを理解した演出にあります。
AI ASMRは、従来のASMRでは不可能だった表現を可能にし、「ガラス製のリンゴを切る」「宇宙空間の水球」といった革新的なコンテンツを生み出しています。これらは単なる技術デモではなく、視聴者に新しい感覚体験を提供し、リラクゼーションやストレス解消に貢献しています。今後は、VR/AR技術との融合、パーソナライズ化、インタラクティブ性の向上など、さらなる進化が期待されています。
趣味:業務効率化、RPA、AI、サウナ、音楽
職務経験:ECマーチャンダイザー、WEBマーケティング、リードナーチャリング支援
所有資格:Google AI Essentials,HubSpot Inbound Certification,HubSpot Marketing Software Certification,HubSpot Inbound Sales Certification
▼書籍掲載実績
Chrome拡張×ChatGPTで作業効率化/工学社出版
保護者と教育者のための生成AI入門/工学社出版(【全国学校図書館協議会選定図書】)
突如、社内にて資料100件を毎月作ることとなり、何とかサボれないかとテクノロジー初心者が業務効率化にハマる。AIのスキルがない初心者レベルでもできる業務効率化やAIツールを紹介。中の人はSEO歴5年、HubSpot歴1年