AIによるアプリ開発の効率化が進む中、新たなAIツールが登場しました。「Dify」は、プログラミングの知識がなくてもハイクオリティなアプリを開発できるノーコード型のツールです。
Difyの出現により、AIの力を誰もが手軽に活用できる時代が到来しました。本記事では、Difyの概要から具体的な使い方まで、徹底的に解説していきます。AIに興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。Difyを使えば、質問応答システムやデータ分析ツール、画像生成アプリなど、さまざまなAIアプリケーションを自分で作ることができます。AIの可能性を最大限に引き出し、新しいアイデアを形にすることでしょう。
この記事はこんな人におすすめ
・Notionと連携して自動化を進めたい
・知識なくてもアプリが作れるようになりたい
・チャットボットをリテラシー0でも作れるようになりたい
Difyとは何か?
Difyより引用
Difyは、GPT-4やClaude 3などの最新のAIモデルを統合したオープンソースのプラットフォームです。Difyは、生成AIツールの開発を簡単に行えるのが大きな特徴です。従来のAIアプリ開発は、単一のモデルを使うのが一般的でした。しかし、Difyでは複数のAIモデルやツールを組み合わせることで、特定のタスクに特化した高性能なアプリケーションを作ることができます。
最大の魅力は、RAG(Retrieval-Augmented Generation)エンジンを搭載していることです。RAGとは、関連する情報を検索・取得し、それを基に高品質な回答を生成する技術のことです。Difyのこの強力なRAGエンジンにより、幅広い分野でのAI活用が可能となっています。
Difyの主な特徴
Difyの特徴は以下の通りです。詳細を解説します。
特徴 | 説明 |
---|---|
圧倒的に使いやすいインターフェース | ダイアグラム形式でワークフロー構築・テスト |
モデル統合 | 多様なLLMとシームレスに連携 |
RAGパイプライン | ドキュメント取り込みから検索までを網羅 |
エージェント機能 | 50以上の組み込みツールを活用し高度なエージェントを構築 |
圧倒的に使いやすいインターフェース

Difyの大きな魅力は、その使いやすさです。プログラミングの知識がなくても、直感的なGUIでドラッグ&ドロップ操作だけでアプリケーションを作れるのが最大の特徴です。
コーディングが苦手な人でも、視覚的に操作できるインターフェースがあれば、高度なAIアプリの開発が可能になります。Difyはまさにそういったニーズに応えるプラットフォームなのです。
モデル統合

Difyには、さまざまなAIモデルやツールがプリセットされています。GPT-3.5をはじめ、DALL-E、PythonAIなど、有名なAIツールが数多く用意されており無料で使うことができます。また、独自のカスタムモデルを追加することも可能です。つまり、既存のモデルに満足できない場合は、自分で新しいモデルを組み込めるのです。このように、豊富なAIリソースを自在に組み合わせられるのがDifyの大きな強みです。用途に合わせてカスタマイズできる点が魅力的です。
RAGパイプライン
Retrieval-Augmented Generation(RAG)に必要な機能を網羅したパイプラインを提供します。これによりPDF、PPT、その他の一般的なドキュメント形式からのテキスト抽出など、データの取り込みから検索までをスムーズに行えます。
エージェント機能
Google検索、Claude、DALL·E、Stable Diffusion、SLACKなど、数多くの組み込みツールを活用して、高度なAIエージェントを構築できます。
Difyの始め方
Difyは、クラウドとローカルの2つの利用方法があります。
ここでは、クラウドでの始め方について説明します。
①右上の「始める」ボタンを押下

②右上の言語を日本語にし、お好きなアカウントを選択

③このような画面になりましたら登録は完了です。

Difyの基本操作
先述した画面になったかと思いますが意味不明だと思います。まずはDifyの基本画面を見てみましょう。

Dify AIのダッシュボードは、以下の主要セクションで構成されています。

探索
豊富なテンプレートライブラリを提供しています。目的に合ったテンプレートを選択することで、迅速にチャットボットなどのアプリケーションを作成できます。

スタジオ
チャットボット、エージェント、ワークフローの管理・作成を行うセクションです。

ナレッジ
RAGなどで使用するPDFやExcelなどのデータを登録・管理するセクションです。GPTsでいう知識を与えるために使います。

ツール
SLACKやDALLEなどの外部ツールとの連携が可能です。
Dify AIのダッシュボードは、直感的なインターフェースを通じて、AIアプリケーション開発に必要な機能を集約しています。スタジオでのアプリケーション管理、探索でのテンプレート活用、ナレッジでのデータ管理、ツールでの外部連携など、シームレスなワークフローを提供することで、効率的なAIアプリケーション開発を支援します。
Difyの使い方(ワークフローを作ってみた!)
早速ですが、アプリを作ってみましょう。
ワークフロー作成の下準備
・「から作成」(何と読むのか不明)を押下

・「ワークフロー」を押下し、どんなワークフローにするのか名前と説明を入力します。
「作成」を押下したら準備完了です。

ワークフロー初期設定

・開始ボタンを押下
・右上の入力フィールドの隣にある「+」ボタンを押下します。

「input」を入力し、保存を押下します。
これにより、アプリを起動させた際にユーザーから質問を受け取れるようになります。

・開始右側の「+」を押下します。

・「組み込みツール」を押下し、追加したい機能をクリックします。
※今回検索をAIにさせたいので「GoogleSearch」を選択します。

他にも画像を生成させたい場合は「DALLE」などバリエーションが豊富です!
「GoogleSearch」を利用するには、まず以下のSerpApiのAPIキーが必要です。アカウントを作成する必要があります。Googleアカウントをお持ちの方は、それを使ってサインアップすることをおすすめします。SerpApiは月100回まで無料で使えるので、初めての方でも気軽に試すことができます。

・「Register」を押下し、Googleアカウントでログインします。


・メール認証をします。

・電話番号で認証をします。

・最後に認証テストを実施

・以下の画面になっていれば完了です。

下にスクロールすると、APIキーがありますのでメモしておきましょう。
・先ほどの画面に戻ります。
「承認するには」というボタンがありますので押下します。ここでAPIキーのにゅうん力が求められますので、先ほどメモしたものを入力し、「保存」を押下します。


・「入力変数」にスラッシュを入れると先ほど設定した「input」がでてきますので選択しましょう。
・あわせて、「RESULT TYPE」が「text」を選択します。

・「次のモデル」を押下します。

・LLMを選択し、無料の中で一番高性能な gpt-3.5-turbo-16k-0613を選択します。


下記のプロンプトをSystemプロンプトに入力します。
以下の「質問」に対して、「Google検索結果」を用いて回答してください。
「質問」:/ {inputを選択}
「Google検索結果」:/{textを選択}

ちょっとややこしいですが「/」を入力してみてください。
下記図のように「input」と「text」を選択すればOKです。

・最後に「終了」モジュールを追加で完成です。
次のブロックを選択を押下

「終了」モジュールを押下

・出力変数を以下のように入力

できました!

Difyのワークフローを起動してみた
右上の「実行」を押下します。

「大谷翔平」が現在何本ホームランを打っているか聞いてみました。
2024年5月7日現在は11本(5月7日当日に11本目を打っています。)

回答はばっちりでした!すごい!

公開するボタンを押下すると、他の人にも使ってもらえます!

Difyの使い方2(実際にチャットボットを作ってみた)
それでは、実際にDifyを使ってチャットボットを作ってみましょう。ここでは簡単な質問応答ボットを作成する手順を説明します。
・スタジオの「テンプレートから作成」を押下

・3つ目のテンプレートを押下

・名前と説明を自分用にわかるよう入力します。

テンプレートはすでに実装されているので非常に使いやすいです!

・右上の「デバッグとプレビュー」を選択します。

・「AIとは何か?」を入力してみました。するとこのような形で回答が返ってきます。
瞬時にチャットボットができました!


以上の手順で、基本的なチャットボットの作成は完了です。プロパティウィンドウでGPT-3のパラメータを調整すれば、より高度な応答を実現できます。
Difyにはこのように、ドラッグ&ドロップでAIアプリを作れる優れた環境が用意されています。視覚的に操作できるので、プログラミング初心者でも比較的簡単に高度なアプリを開発できるでしょう。
Difyの料金は?無料で使えるが有料プランもあり!

Difyは、ユーザーのニーズに合わせて無料プランと有料プランを提供しています。
無料プラン:
- Difyの基本機能を利用可能
- 初心者や小規模なアプリ開発に最適
- アプリ数と文章ベクトル化データ容量に制限あり
有料プランは以下の3つに分類されます。
プロプラン(月額$59):
- 3人までのチーム作業に対応
- メッセージリクエスト数が無制限
- 小規模チームでのアプリ開発に適しています
チームプラン(月額$159):
- チームメンバー数とアプリ数が無制限
- 企業全体での利用に適しています
エンタープライズプラン:
- カスタマイズされたプラン
- 要件に応じて内容を調整可能
Difyは、無料プランで基本機能を提供し、有料プランではより高度な機能とリソースを提供することで、様々な規模やニーズに対応しています。詳細な料金プランについては、公式サイトをご確認ください。
Difyの使い方 まとめ
Difyは、プログラミングの知識がなくてもAIアプリケーションを作れる革新的なプラットフォームです。直感的なGUIと豊富なAIリソースが特徴で、誰でも手軽にAI開発を始められます。
Difyの主な特徴
- RAGエンジンを搭載し、高品質な回答生成が可能
- 視覚的なインターフェースでドラッグ&ドロップ操作
- GPT-3、DALL-E、PythonAIなど有名AIツールを多数サポート
- 独自のカスタムAIモデルを追加できる拡張性
- シンプルながら機能的なUI
- Windows、Mac、Linuxなどマルチプラットフォームに対応
Difyを使えば、質問応答システムやデータ分析ツール、画像生成アプリなど、さまざまなAI活用が可能になります。しかも、コーディングは一切不要です。
AIに興味があれば、ぜひDifyを試してみてはいかがでしょうか。プログラミングスキルがなくても、Difyのおかげで今やAI開発の入り口に立つことができます。AIに関する知識さえあれば、Difyを使ってイノベーティブなアプリを生み出せるはずです。
趣味:業務効率化、RPA、AI、サウナ、音楽
職務経験:ECマーチャンダイザー、WEBマーケティング、リードナーチャリング支援
所有資格:Google AI Essentials,HubSpot Inbound Certification,HubSpot Marketing Software Certification,HubSpot Inbound Sales Certification
▼書籍掲載実績
Chrome拡張×ChatGPTで作業効率化/工学社出版
保護者と教育者のための生成AI入門/工学社出版(【全国学校図書館協議会選定図書】)
突如、社内にて資料100件を毎月作ることとなり、何とかサボれないかとテクノロジー初心者が業務効率化にハマる。AIのスキルがない初心者レベルでもできる業務効率化やAIツールを紹介。中の人はSEO歴5年、HubSpot歴1年