2024年12月6日、OpenAIが新たなAIモデル「o1 pro」と、それを利用できる新プラン「ChatGPT Pro」を発表しました。この革新的なモデルは、複雑な計算やプログラミング、高度な思考を要するタスクの処理に特化しており、AIの可能性をさらに広げています。
本記事では、o1 proの特徴や進化したポイント、ChatGPT Proの詳細、そしてo1 proの具体的な使い方について詳しく解説します。さらに、実際にo1 proを使用した結果も共有し、その性能を検証します。
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この記事はこんな人におすすめ
・o1とo1 proで何が違うのか知りたい
・o1 proの料金が気になる
o1 proとは?o1と何が違う?
o1 proは、OpenAIが開発した最新のAIモデルで、特に推論タスクに優れた性能を発揮します。推論とは、与えられた情報やデータから新しい知識や結論を導き出すプロセスを指します。
o1 proの主な特徴
- 高度な推論能力:o1 proは、複雑な問題や状況に対して、より深い理解と分析を行うことができます。
- 数学・プログラミングの高精度:特に数学的問題やプログラミングタスクにおいて、従来のモデルを上回る精度を示します。
- 博士レベルの問題解決:高度な学術的問題や専門的な質問に対しても、的確な回答を提供できます。
- 多様なタスク処理:単純な質問応答だけでなく、複雑なデータ分析や創造的な問題解決にも対応します。
o1 proと他のモデルとの比較
OpenAIより引用
OpenAIが公表している性能比較グラフによると、o1 proは同シリーズの他のモデル(o1、o1-preview、o1-mini)と比較して、タスク処理の精度が大幅に向上しています。
特筆すべきは、OpenAIが実施したより厳しい条件下でのテストです。このテストでは、問題を1回だけ正解するのではなく、4回中4回正解できた場合にのみ、問題を解いたとみなされます。この厳しい条件下でも、o1 proは他のモデルを大きく上回る性能を示しました。
OpenAIより引用
「o1」と「o1-pro」は両方とも最大トークン数が196,608で、現時点では画像のアップロードのみに対応しています。
「o1-pro」はClaudeやGeminiなどをはるかにしのぐモデルではないかとも推測されています。
モデルはo1とo1 proがあることに注意
o1 proに注目がいきがちですが、「o1」のモデルも通常のChatGPT TeamやPlusに実装されていることに注意が必要です。
o1が出てこないケースがあります。
その場合は一度ログアウトして再度ログインしてみてください。
そうすると「o1 preview」から「o1」に代わっているはずです。
o1 proの料金は?ChatGPT Proプランに入ることで使える
o1 proを利用するためには、新しく導入されたChatGPT Proプランに加入する必要があります。ここでは、ChatGPT Proの概要、料金体系、そして登録方法について詳しく説明します。
ChatGPT Proとは
OpenAIより引用
ChatGPT Proは、o1 proのリリースと同時に発表された新しい有料プランです。このプランは、最高性能のAIモデルへのアクセスを提供し、より高度で複雑なタスクを処理することができます。
ChatGPT Proの主な特徴
- o1 proの利用:世界最高性能のAIモデルを使用可能(上限あり)
- GPT-4oおよびo1への無制限利用
- 高度な音声モードへの無制限アクセス
- ChatGPT Plusのすべての機能を含む
ChatGPT Proの料金体系
ChatGPT Proの月額料金は200ドル(約30,000円)で、これは従来のChatGPT Plusの10倍の価格設定となっています。
以下は、各プランの比較表です
プラン名 | 価格 | 主な特徴 |
---|---|---|
無料版 | $0/月 |
|
ChatGPT Plus | $20/月 |
|
ChatGPT Pro | $200/月 |
|
ChatGPT Proの登録方法
ChatGPT Proに登録する手順は以下の通りです
・ChatGPT公式サイトにアクセスする
・「Get Pro」ボタンをクリック
・必要な情報を入力し、「申し込む」をクリック
これらの手順を完了すると、ChatGPT Proにアップグレードされます。
※既存のChatGPT Plusユーザーが ChatGPT Proに乗り換える場合、料金は日割り計算されます。
※o1 自体は、PlusプランやTeamプランでも使用可能です。
通常の個人ユーザーにとっては、Proプランは必要ないと考えています。
o1及びo1 proの使い方
o1 proの使用方法は非常にシンプルです。以下の手順に従って、簡単に利用を開始できます
- ChatGPT Proに加入する
- ChatGPTのインターフェースにログインする
- モデル選択箇所に表示される「o1」もしくは「o1 pro mode」を選択する
(注:契約直後は表示されない場合があるため、ページの更新もしくは再ログインが必要な場合があります) - 入力フォームにプロンプトを入力し、会話を開始する
o1 proは、特に以下のような分野で優れた性能を発揮します
- 複雑な数学の問題解決
- 高度なプログラミングタスク
- 科学的な推論や分析
- 多段階の論理的思考を要する問題
また、o1 proは画像認識機能も備えているため、画像を含む問題や質問にも対応できます。
モデル選択メニューから直接アクセスでき、処理時間中はプログレスバーで状況を確認できます。また、他の会話を行っている間でも、完了時には通知でお知らせする機能も実装されています。
「o1 pro」と「o1」「o1 preview」はどこまで変わる?
o1 proの実力を検証するため、実際に使用してみた結果があふれています。
ぼっちちゃんの状況背景に関する思考力がえげつないですw
「o1 pro」と「o1」の活用事例紹介
ここからは「o1 pro」と「o1」の活用事例を紹介していきます。
数学オリンピックの問題も解ける
実際の検証事例:日本数学オリンピック問題での比較
o1-previewで挑戦して解けなかった日本数学オリンピックの問題を、新しくリリースされたo1で試してみたところ、o1は1分4秒という短時間で問題を正確に解き切ったとのことです。
特に印象的だったのは、解答過程(Thinking)の質の違いです。o1-previewと比較すると
- より論理的な思考の流れ
- 整理された解法の展開
- クリアな説明構造
が見られ、AIの思考プロセスが明らかに洗練されていることが分かりました。
この結果は、o1 proが複雑な数学的推論を行う能力が高いことを示しています。時間をかけてでも、より正確な解答を導き出す傾向があると言えるでしょう。
決算の読み解きも可能
速度と思考深度の違い
最も興味深かったのは、両者の「性格の違い」です。o1は確かに高速化されましたが、o1 proはより熟考型のアプローチを取るとのこと。
ソフトバンクの決算短信から数カ所を画像で入力して分析を依頼してみるとGPT-4oと比較して、格段に質の高いインサイトが得られています。
- 数値の背景にある意味の深い解釈
- 業界コンテキストを踏まえた分析
- より実践的な示唆の提供
※現時点ではPDFファイルの直接添付には対応していませんが、画像での入力で十分な分析が可能です。
個人利用ユーザーはo1を推奨
o1 proの登場に注目が集まる中、実は通常のo1モデルも大きな進化を遂げています。これまでo1-previewとして提供されていたモデルが、単に「o1」という名称で新たにリリースされましたが性能はこちらも大きく向上しています。
最新の言語モデル「o1」は、従来版からパフォーマンスが大幅に向上し、コーディング、数学計算、文章生成の分野で優れた性能を発揮します。処理速度の改善に加え、複雑な課題でのエラー率を34%削減することに成功。さらに画像処理機能も実装され、より多様な入力に対応可能になりました。
この進化したo1は、ChatGPT Proへの加入を迷っているユーザーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。月額20ドルのChatGPT Plusで利用できるo1は、多くのタスクに対して十分な性能を発揮し、コストパフォーマンスの高いオプションとなっています。
ChatGPT PROプランおよびo1 proまとめ
o1 proの登場は、AIの可能性を大きく広げ、私たちの社会や産業に革命的な変化をもたらす可能性を秘めています。その高度な推論能力、数学的処理能力、言語理解能力は、科学研究から教育、ビジネス、医療に至るまで、幅広い分野で革新的な応用を可能にします。
しかし、この強力なツールを効果的かつ責任を持って使用するためには、適切な訓練と倫理的な配慮が不可欠です。o1 proの能力を最大限に活用しつつ、その使用が社会にもたらす影響を慎重に考慮し、人間の創造性や判断力と補完的に機能させることが重要です。
また、o1 proの登場は、AIの民主化と専門化の両面での進展を示唆しています。ChatGPT Proを通じて、個人や小規模組織でも高度なAI能力にアクセスできるようになる一方で、その高度な能力を最大限に引き出すためには、専門的な知識と経験が必要となるでしょう。
今後、o1 proがどのように進化し、私たちの社会や働き方、生活様式をどのように変えていくのか、注目していく必要があります。同時に、この強力なツールを適切に活用し、人類の進歩と幸福に貢献できるよう、継続的な議論と検討が求められます。
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▼書籍掲載実績
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保護者と教育者のための生成AI入門/工学社出版(【全国学校図書館協議会選定図書】)
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