OpenAIより引用
人工知能技術の最前線を走り続けるOpenAIが、2024年の年末に向けて画期的な試みを開始します。12月5日から始まる「12 Days of OpenAI」は、クリスマスシーズンに合わせて12日間連続で新しい技術やサービスを発表するという、かつてない規模のイベントです。
ChatGPTを通じて世界中に革新的なAI体験を提供してきたOpenAIは、現在週間アクティブユーザー数が3億人を突破し、日々10億件以上のメッセージがやり取りされています。その勢いは留まることを知らず、特に米国では130万人以上の開発者がOpenAIの技術を活用してイノベーションを生み出しています。
このような急成長を遂げるOpenAIが、なぜ今このタイミングで12日間連続の発表イベントを行うのか。そして、このイベントは私たちの未来にどのような影響をもたらすのか。本記事では、この歴史的なイベントの全容を徹底的に解説していきます。
今までのOpenAI関連の発表は以下の通りです。併せてご覧ください。
この記事はこんな人におすすめ
・OpenAIの12日間連続ホリデーイベントで発表された概要を知りたい
OpenAIの12日連続ホリデーイベントとは?
「12 Days of OpenAI」は、欧米で親しまれているアドベントカレンダーの伝統になぞらえた革新的なテクノロジーイベントです。アドベントカレンダーが日々新しい驚きと喜びを提供するように、OpenAIは12日間にわたって、AI技術の新たな可能性を次々と明らかにしていきます。
サム・アルトマンCEOは、このイベントについて「大きなものから小さなものまで、素晴らしい発表の数々をお届けします」と述べており、業界関係者からも大きな期待が寄せられています。特に注目すべきは、単なる製品発表に留まらず、ライブストリーミングを通じてデモンストレーションも行われることです。これにより、新技術の実力を世界中のユーザーがリアルタイムで確認できることになります。
発表スケジュールと視聴方法
項目 | 詳細 |
---|---|
開始日 | 2024年12月5日(米国時間) |
終了予定日 | 2024年12月20日 |
発表時間 | 毎平日 米国太平洋時間午前10時(日本時間翌日午前3時) |
主な視聴プラットフォーム | OpenAI公式ライブストリーミング、公式Xアカウント、OpenAI Newsroom |
発表形式 | ライブデモンストレーション、技術説明、Q&Aセッション |
視聴者の利便性を考慮し、OpenAIは複数の視聴方法を用意しています。メインとなるのは同社の公式ウェブサイトでのライブストリーミングです。見逃した方のために、配信内容は後からYouTubeでも視聴可能となります。
また、タイムゾーンの異なる世界中のユーザーに配慮し、配信開始の約10分前には公式Xアカウントを通じてライブ配信へのアクセス情報が共有されます。これにより、太平洋時間圏(午前10時)、東海岸(午後1時)、そして日本(翌日午前3時)など、異なる地域のユーザーが円滑に配信にアクセスできる仕組みが整えられています。
リアルアイムで見たい方は今日の午前2時50分(江頭)にXの公式アカウントをチェックしましょう。
12 Days of OpenAIの1日目の動画はこちら
12 Days of OpenAIの1日目(12月6日)は以下から見られます。
12 Days of OpenAIの2日目の動画はこちら
12 Days of OpenAIの2日目(12月7日)は以下から見られます。
12 Days of OpenAIの3日目の動画はこちら
12 Days of OpenAIの3日目(12月10日)は以下から見られます。
12 Days of OpenAIの4日目の動画はこちら
12 Days of OpenAIの4日目(12月11日)は以下から見られます。
12 Days of OpenAIの5日目の動画はこちら
12 Days of OpenAIの5日目(12月12日)は以下から見られます。
12 Days of OpenAIの6日目の動画はこちら
12 Days of OpenAIの6日目(12月13日)は以下から見られます。
12 Days of OpenAIの7日目の動画はこちら
12 Days of OpenAIの7日目(12月14日)は以下から見られます。
12 Days of OpenAIの8日目の動画はこちら
12 Days of OpenAIの8日目(12月17日)は以下から見られます。
期待される主要発表内容と業界への影響
業界専門家の間では、このイベントで複数の革新的な技術が発表されると予想されています。特に注目を集めているのが、テキストから動画を生成する画期的なAI「Sora」の一般公開です。Soraのリーダーであるビル・ピーブル氏の反応から、重要な発表が含まれる可能性が高いとされています。
また、現行のGPT-4を超える性能を持つ新モデルの発表も期待されています。ただし、一部で報道されていた「Orion」については、OpenAIが年内リリースを否定しており、別の形での性能向上が図られる可能性が高いと見られています。
ChatGPTのプラットフォームについても、現在プレビュー版として提供されている「o1」の正式リリースや、新機能の追加が予想されています。特に注目されているのは、より高度な推論能力を持つ新モデルの導入と、季節に合わせた特別な機能の実装です。
以下の表は、主要な予想発表内容とその潜在的な影響をまとめたものです:
予想される発表 | 期待される機能 | 想定される影響 |
---|---|---|
Sora一般公開 | テキストからの高品質動画生成 | クリエイティブ業界の変革 |
新世代GPTモデル | 強化された推論能力、効率化 | AIの実用性向上 |
ChatGPT新機能 | 季節限定機能、UI改善 | ユーザー体験の向上 |
開発者ツール | 新APIエンドポイント、機能拡張 | エコシステムの発展 |
ブラウザ統合 | AI搭載ブラウザの進捗報告 | Web体験の革新 |
DALL-E更新 | 画像生成能力の向上 | クリエイティブAIの進化 |
【12 Days of OpenAI】発表一覧まとめ
現時点で発表されている内容は以下です。
実際に発表後、随時更新していきますのでこのURLをブックマークしておいてください。
1日目:新モデル「o1」「o1 pro」・「ChatGPT Pro」プラン発表!
今回の発表で最も注目を集めているのは、テストフェーズだったo1の正式リリースです。開発者たちの努力が実を結び、これまでのAIモデルを遥かに超える性能を実現したとのこと。特に印象的なのは、エラー率が34%も削減されたという点です。
さらに興味深いのは、待望の「ChatGPT Pro」プランの導入です。月額200ドル(約3万円)という価格設定で、o1への無制限アクセスや独自の高性能機能が提供されるとのこと。
たけええええ
驚異的な性能向上を示すベンチマーク結果
特に目を見張るのは、o1 pro modeの性能です。数学では正確性が80%にまで向上し、プログラミングでは74.9%という驚異的な数値を記録。さらに、博士レベルの科学問題でも74.2%という高い正確性を示しているそうです。
WebブラウジングやファイルアップロードなどのX機能追加も予定されているようです。さらに、開発者向けのAPI機能も充実させていく方針とのこと。
新モデル「o1」・「ChatGPT Pro」プランの詳細は以下の記事をご覧ください。
2日目:OpenAI、専門家レベルのタスク特化型ファインチューニング研究プログラム拡大を発表
OpenAIより引用
OpenAIは昨日、強化学習を活用した新しいモデルカスタマイズ技術「Reinforcement Fine-Tuning (RFT)」の研究プログラム拡大を発表しました。この技術により、開発者は特定の専門分野に特化した高性能AIモデルを作成できるようになります。
RFTの特徴は、数十から数千程度の厳選されたタスクと模範解答を用いて、モデルの推論能力を強化学習的に改善できる点です。特に法務、保険、医療、金融、工学など、明確な正解が存在し専門家間で合意が得られやすい分野での活用が期待されています。
研究プログラムの参加者には、開発中のRFT専用APIへのアクセス権が付与され、各分野に特化したタスクでの検証が可能となります。参加者からのフィードバックはAPI改善に活用され、希望する組織はデータセット共有を通じてモデルの性能向上にも貢献できます。
以下から研究プログラムへの参加申し込みが可能です。
OpenAI’s Reinforcement Fine-Tuning Research Programへの申し込みはこちらから
参加対象は研究機関、大学、企業などで、特に専門家による複雑な判断業務の効率化を目指す組織を歓迎するとしています。OpenAIは2025年初頭の一般提供開始を目指しており、それまでに幅広いユーザーが活用できるよう、プログラムを通じて技術の改良を進めていく方針です。
3日目:OpenAI、動画生成AI「Sora」を発表
Soraより引用
OpenAIは、2024年12月9日にテキストから高品質な動画を生成するAIモデル「Sora」を正式にリリースしました。このモデルは、ユーザーが入力した文章に基づき、短い映像クリップを自動的に作成することができます。また、既存の短い動画を延長する機能も備えています。
Prompt:an alien blending in naturally with new york city, paranoia thriller style, 35mm film.
Soraは、ChatGPTの有料ユーザーであるChatGPT PlusおよびProプランの利用者向けに提供されています。ChatGPT Plusプランでは、最大720pの解像度で5秒間の動画を生成することが可能で、Proプランでは1080pの解像度で最大20秒の動画生成がサポートされています。
このリリースに伴い、OpenAIはSoraの安全性とリスク評価に関する「System Card」を公開し、モデルの開発過程で実施した安全対策やリスク評価について詳しく説明しています。
Soraは、ユーザーが入力したテキストに基づいて、リアルな映像を生成する能力を持ち、クリエイティブなプロジェクトやコンテンツ制作において新たな可能性を提供します。ただし、現時点では、実在の人物を含む動画の生成は一部のユーザーに限定されており、OpenAIはさらなるテストと安全対策の強化を進めています。
Soraの詳細や利用方法については、以下の記事をご覧ください。
4日目:OpenAI、「Canvas」機能のアップデートを発表
OpenAIは、ChatGPTの新機能「Canvas」に対し、以下の3つの主要なアップデートを発表しました。
- 全ユーザーへの「Canvas」機能の提供:これまで一部のユーザーに限定されていた「Canvas」機能が、無料ユーザーを含むすべてのユーザーに解放されました。
- 「Canvas」内でのPython実行機能の追加:ユーザーは「Canvas」上で直接Pythonコードを実行できるようになり、データ分析やスクリプトのテストがより効率的に行えるようになりました。
- GPTsへの「Canvas」統合のサポート:開発者は自身のGPTモデルに「Canvas」機能を組み込むことが可能となり、より柔軟で高度なAIアプリケーションの開発が期待されます。
ChatGPTのプロンプト入力欄に新たに追加されたツールボックスアイコンから、「キャンバス」機能を起動できます。このツールボックスでは、「キャンバス」のほかに「画像」「検索」「理由」の各機能を選択可能です。ただし、「理由」機能は有料ユーザーのみが利用できます。
これらのアップデートは、すでに全ユーザーに展開されています。「Canvas」は、ユーザーがAIと共同でテキストやコードを編集・作成できるインターフェースであり、今回の拡張により、より多くのユーザーがその利便性を享受できるようになりました。
「Canvas」機能の詳細は以下よりご覧ください。
5日目:AppleデバイスのChatGPT機能を充実させるOpenAIの新展開を発表
OpenAIより引用
OpenAIはストリーミングイベント5日目で、以下のような新機能を発表しました。
まず、Apple Intelligence機能との統合が強化されます。具体的には、Siriが用途に応じてChatGPTを起動し、応答を提供する機能や、Writing Toolsでの文章・画像作成支援、そしてiPhone 16シリーズではカメラを通じた映像分析とChatGPTによる情報提供が可能になります。
次に、アカウント登録なしでの利用が可能になります。ChatGPTアカウントと連携すれば高度な機能を使用できますが、未連携の場合はOpenAIによるデータ保存や学習には使用されません。プライバシー保護のため、IPアドレスは匿名化されセッションの結合も防止されます。
対応地域と言語については、当初は米国英語や英国英語など「localized English」設定のある地域でサービスを開始。2025年4月以降には、インドや東アジア諸国の言語を含む多言語対応を予定しています。日本語は現時点で未対応ですが、対応地域の英語設定に変更することで一部機能の利用が可能となる見込みです。
対応端末は、iPhone 16シリーズ、iPhone 15 Proシリーズ、A17 Pro/M1以降のiPad、そしてM1以降のMacとなっています。
6日目:ChatGPTに視覚機能が実装
OpenAIの連続発表会6日目において、スマートフォン版Advanced Voice Modeに動画認識機能が追加されることが発表されました。さらに、画面共有された内容を理解する機能も実装され、ユーザビリティの大幅な向上が期待されます。
この新機能は、Team、Plus、Proの各ユーザーに向けて提供が開始されました。また、期間限定の特別企画として、サンタクロースの人格を持つサンタモードが月末まで展開されます。
このサンタモードは、Advanced Voice Modeの利用制限とは独立して利用可能となっています。
7日目:ChatGPTに新機能「Projects」が実装
7日目のリリースはProject機能でした!
Projects機能は、これまでチャット単位でしか管理できなかった情報を、より大きな「プロジェクト」という単位で統合・管理できる画期的な機能です。主な特徴として以下の3点が挙げられます。
第一に、関連する複数のチャットを一つのプロジェクトとしてまとめることが可能になりました。例えば、同じ研究テーマに関する会話や、特定のクライアントとのやり取りなどを一箇所で管理できます。
第二に、各プロジェクトにExcelやPDF等のファイルをアップロードし、RAG(検索)機能を利用できます。ChatGPTは、アップロードされたファイルの内容を参照しながら、より適切な応答を生成することが可能です。
第三に、プロジェクトごとに事前指示を設定できる機能が実装されました。これにより、技術文書作成では正確性を重視した応答、イベント企画では親しみやすい口調といったように、プロジェクトの性質に応じた一貫したコミュニケーションを実現できます。
さらに、Canvas機能との連携により、コードレビューや文章編集も直感的に行えるようになっています。この機能は2024年12月14日から順次提供が開始され、今後はEnterprise版や教育機関向けにも展開される予定です。
8日目:ChatGPTの検索機能が大幅に強化
OpenAIの連続発表会8日目では、検索機能のアップデートと利用拡大が発表されました。主な改善点は以下の3つの領域に集中しています。
まず、ウェブ検索機能が大幅に強化されました。検索の高速化・高精度化に加え、マップ表示機能や YouTube 動画の埋め込み、画像表示、映画情報、ビジネスやレストラン情報の取得にも対応するようになりました。ナビゲーション関連の検索では、関連性の高いサイトが優先的に表示され、内容の要約も提供されます。なお、第三者の検索プロバイダへは匿名化されたクエリが共有され、位置情報はIPベースで提供されます。
次に、音声モードでの検索機能が実装されました。音声チャット中に直接ウェブ検索を行うことが可能となり、GPT-4の使用制限内での検索利用にも対応しています。
さらに、グローバルでのサービス展開が開始されました。ChatGPTが利用可能な全プラットフォームにおいて、無料ユーザーを含む全てのログインユーザーを対象に、段階的な提供が開始されました。公式ウェブサイト、デスクトップアプリ、モバイルアプリのいずれからも新しい検索機能へのアクセスが可能です。
このイベントの意義
このイベントの意義は、単なる新製品の発表を超えて、AI技術が私たちの社会にもたらす変革の青写真を示すことにあります。特に以下の三つの観点から、その影響は広範囲に及ぶと考えられています。
- テクノロジーの民主化
OpenAIは、高度なAI技術をより多くの人々が利用できるよう、継続的な努力を重ねています。今回のイベントでも、複雑な技術を直感的に使いこなせるインターフェースの提供や、開発者向けツールの拡充が期待されています。 - ビジネスモデルの革新
既存のビジネスプロセスをAIによって効率化するだけでなく、まったく新しいビジネスモデルを生み出す可能性があります。特に、動画生成AIの一般公開は、クリエイティブ産業に大きな変革をもたらすと予想されています。 - 社会的インパクト
AIの進化は、教育、医療、環境問題など、社会的課題の解決にも貢献する可能性を秘めています。OpenAIは、技術の発展と社会的責任の両立を重視する姿勢を示しており、今回のイベントでもその方向性が強調されると考えられています。
今後の展望
「12 Days of OpenAI」は、単なる年末のマーケティングイベントではありません。それは、AI技術の未来を形作る重要な転換点となる可能性を秘めています。特に注目すべきは、OpenAIがこのイベントを通じて示す長期的なビジョンです。
技術革新のペースは加速を続け、AIの応用範囲はさらに広がっていくことが予想されます。同時に、OpenAIは技術の発展と人類の福祉の両立を重視する姿勢を明確にしています。このバランスの取れたアプローチこそが、持続可能なAI革命を実現する鍵となるでしょう。
来たる12日間、私たちは技術の進化が描く未来の一端を目にすることになります。それは、人類とAIが協調して創造する新しい時代の始まりを告げる、歴史的な瞬間となるかもしれません。
まとめ
OpenAIの12日連続ホリデーイベントは、AI技術の現在と未来を結ぶ重要な架け橋となります。このイベントを通じて示される新しい技術や概念は、私たちの生活や仕事のあり方を大きく変えていく可能性を秘めています。
継続的なイノベーション、コミュニティとの強い結びつき、そして明確な未来へのビジョン。これらの要素が組み合わさることで、OpenAIは単なる技術企業を超えて、デジタル時代の新しい章を開く先駆者としての地位を確立しようとしています。
今後12日間の展開に、世界中のAI関係者の注目が集まることは間違いありません。そして、このイベントを通じて明らかになる新技術は、私たちの未来をより豊かなものにしていく可能性を秘めています。技術の進化が描く新しい未来の姿を、私たちは今まさに目撃しようとしています。
趣味:業務効率化、RPA、AI、サウナ、音楽
職務経験:ECマーチャンダイザー、WEBマーケティング、リードナーチャリング支援
所有資格:Google AI Essentials,HubSpot Inbound Certification,HubSpot Marketing Software Certification,HubSpot Inbound Sales Certification
▼書籍掲載実績
Chrome拡張×ChatGPTで作業効率化/工学社出版
保護者と教育者のための生成AI入門/工学社出版(【全国学校図書館協議会選定図書】)
突如、社内にて資料100件を毎月作ることとなり、何とかサボれないかとテクノロジー初心者が業務効率化にハマる。AIのスキルがない初心者レベルでもできる業務効率化やAIツールを紹介。中の人はSEO歴5年、HubSpot歴1年